Hi-Fi Un!corn『FANTASIA』インタビュー――この1年で大きく成長した5人が完成させた『FANTASIA』
『THE IDOL BAND︓BOY'S BATTLE』で⾒事優勝を果たしたHi-Fi Un!corn(ハイ・ファイ・ユニコーン)が待望の1st ALBUM『FANTASIA』をリリース。そんな彼らの魅力に迫ります!
4人組ダンスロックバンド・DISH//の全国ホールツアー「DISH// HALL TOUR2023 “TRIANGLE”」ファイナル公演が、6月29日(木)にライブ配信されます。メンバー全員が作詞作曲に携わった5枚目のアルバム『TRIANGLE』を携えたツアーで、4人は何を感じ、何を思ったのでしょうか。全国16カ所18公演に及んだツアーの手応えと、ファイナル公演に向けた意気込みをお聞きしました。
——全国ホールツアーのファイナル公演が生配信されることになりました。
北村匠海:今までこれだけ長くツアーを回ることなかったので、毎公演、いろんな発見があって。すごく充実したツアーになっている実感があるので、配信を通して全国に広がっていくことはありがたいなと思ってます。
矢部昌暉:今回のツアーは久しぶりにいろんなところに回れているし、各地それぞれ、前に行ったときよりも確実に来てくださるお客様が増えていて。たくさんの方に見ていただいているっていうのは感じてるんですけど、それでも、ライブに行くことに躊躇したり、予定が合わなくて行けなかった方もいらっしゃると思うんですね。そういう人にとっては、配信があると見やすいと思うし、より多くの人にこのツアーが届くことはすごく嬉しいですね。
泉大智:今回のツアーで初めてDISH//のライブに来たっていう人がめちゃくちゃ多くて。コロナ禍で知って、今、初めて来てくれるお客さんもたくさんいる中で、ライブに行くか迷ってた人も配信なら気軽に見れるし、初めての人でも見やすいかなと思ってて。全国どこでも見られるので、ぜひ見てほしいなとは思います。
橘柊生:今回のツアーは結構な本数があったんですけど、毎ライブでちゃんと反省点を見出して、改善してきているので、最終公演はすごくいいものが見せられるんじゃないかと思ってて。生配信が入ることによって、いろんな方に集大成となるようなライブを見ていただけるのは素直に嬉しいですね。
——匠海さんのおっしゃった“発見”とういうのは、具体的にどんなことでしょう。
北村:声が出せるようになったことで、コロナ禍に作った曲が結構化けていて。これまでは、いわば“聞かせること”しかできなかった曲たちが、僕たちも見てる人たちも含めて、一緒にライブすることで進化した曲たちがいっぱいあるんですね。改めて、曲の育て方を取り戻した感覚がありますね。
——取り戻す、というのは印象的な言葉です。
北村:あとは、僕たち自身も年齢が上がってるから、ライブの構成自体も、大人の波の作り方をしてるんですね。それをチャレンジじゃなくて、ライブしていく中でいろんな方法で試せているのがすごくいいなと思う。ツアーの合間にフェスもたくさんやったので、僕たちのいろんな戦い方が発見できてますね。フェスを経たことで、初めてライブを観る人が比較的多かった愛媛や岡山でのライブがとてもうまくいったり。初めての人が多い時はこっちの方向に進めるし、いつもやってる大都市ではこっちの方向も進めるしっていう、いろんな選択肢が見えた感じがしました。
——コロナ禍の2020年に公開された「猫」のアコースティックバージョンで好きになって、地方公演を今か今かと待っていた方もたくさんいらっしゃるでしょうね。しかも、本ツアーから声出しも解禁になってます。
北村:そうですね。当たり前が返ってきた感覚がありますし、岡山とか愛媛とか、初めてホール規模でライブするような場所で、ソールドアウトしている状況を間近で見られたので、すごい感動がありましたね。しかも、小さいお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまでいて。各地を細かく回ることで、DISH//の愛され方や広がり方を改めて感じたし、自分たち本位でありながらも、これだけ幅広い人たちが楽しんで聴けるものはなんだろうって、ライブをしながら曲の作り方についても考えてます。
矢部:僕は個人で舞台もやってますけど、お客さんとの繋がりを感じられるライブや舞台という生ものが大好きなんですよ。しかも、お客さんの声が聞けたり、掛け合いをすることで、僕らのテンションも上がっていく。だから、今回、やっと声が聞けたことは純粋にうれしかったです。コロナ禍で声が出せないライブは正直、もどかしさもあったんですよね。ちゃんと楽しませられてるのかなっていう不安を感じながらライブをしたし、お客さんの声を聞けたりとか、一緒に歌ってくれたりすると、やっぱり生ものの良さはこれだよなっていうふうに感じます。
泉:僕はこれだけ長い期間のツアーが初めてなので、同じライブをいろんな場所でやるっていう感覚がすごく新鮮で。メンバーがどう楽しみ続けられるかみたいなことも大事にしつつ、どんどんライブが良くなってってるなと感じてて。会場によって全然違う空気を感じるのも久しぶりだし、すごく楽しいですね。
橘:やっぱりレスポンスがあるってすごい大切だなって思いました。声出しありで一番感じるのは、煽ったときとMC。反応がないときのMCってマジでずっとスベってるみたいな感じになるんですよ(笑)。煽った時に声が返ってくるとこっちもテンション上がるし、みんなの声が聞けるっていうのはやっぱ生のライブの醍醐味だなっていうのを改めて感じました。
——今回のツアーは6月29日がファイナルですが、これまでの公演で特に印象に残っている出来事を教えてください。
北村:どの公演も声が出せるから、「待ってました」という感じがバンバン伝わってきて。どのライブも印象深いんですけど今回、開場中のBGMをJ-POP縛りで作ってて。最後の曲が平井堅さんの「POP STAR」なんですけど、ライブ前に客席でみんなが踊ってて(笑)。僕たちとしては、会場に入った瞬間からみんなが楽しんでくれたらいいなと思ってたんですけど、踊るところまでは全く意図してなかったので、袖で見てて面白い光景でした。
矢部:コロナ禍でも行ってた東京や大阪よりも、愛媛や富山とか、初めてだったり、久しぶりだったりする場所の方が声が大きいような感じがして。それは、やっぱり待っててくれたのかなって感じてうれしいですよね。一般発売でチケットをゲットした方が多い会場はちょっと構えて臨んだりしたんですけど、それでもすごく大きい声を出してくれたのは、発見というか、ちゃんと届いてるんだなっていう実感がありましたね。
橘:僕の中でも愛媛公演が思い浮かびますね。今回のツアー史上、一番初めましての人が来てくれたライブ。半分以上がそうだったらしくて、ワンマンライブをやっても、フェス会場にいるみたいな感覚だったし、すごく印象に残ってます。
泉:今回、全体を通してなんすけど、前のりや泊まりが多くなって。今までは日帰りが多かったので、今回は、ちゃんとうまい飯を食べて、ちゃんとその街を味わって。その土地のいろいろを感じながらライブできてるなって思います。しかも、今回、「仲良くなろうぜ」みたいな裏テーマがメンバー内であって。
——メンバー4人のですか?
泉:より仲を深めようよ、みたいなのがあって。それができてるかよくわかんないんですけど、一緒に飯には行けてるっていう感覚はありますね。
矢部:柊生が言い出しましたね。最近、それぞれの個人の活動も忙しくなってて。本当に仕事で集まることしかなくなってきたので、改めてみんなで、他愛もない話をしよう、みたいな。
橘:地方に行ったときもあんまりご飯も食べずにその日帰りが多かったんですよ。ツアーを回って、こんなにご飯を食べて、前のりでゆっくりしながらメンバーと喋る時間があるツアーは、大智が入ってから初めて。最近は集まったら仕事の話ばっかりしてたんで、今一度、くだらない話をしたいなと思って。前はライブが終わった後にビリヤードに行くこともあったんですよね。今はもう体力的にみんなしんどいんで無理なんですけど(苦笑)、そういうこともできたら、思い出に残るツアーになるな、みたいな。MCでも喋るエピソードができたりするので、一緒にいる時間が増えるといいなっていう願いも込めつつ、「今回は俺らが仲良くなるっていうテーマで行こうぜ」って言いました。
——(笑)仲良くなりました?
橘:愛媛のライブが終わった後に大智と道後温泉に行きました。ライブ終わりのアクティビティも、愛媛が初めてだったかな。ライブ終わりに温泉3軒をはしごしました。それすごい印象に残ってます。
矢部:(笑)このツアー自体、お客さんの感想として、楽しかった、ハッピー、幸せみたいな気持ちで帰ってほしいなっていうのが、1個のテーマでもあったんですよ。僕ら自身も、今回のツアーを通して、ハッピーな気持ちになりたいね、みたいな感じで、しっかりと前のりして、美味しいご飯を食べたり、みんなで話すっていうことを久しぶりにやっているので、僕ら自身も楽しめてるなっていうのは思いますね。
——自分たちが楽しむ、ワクワクするっていうことと、お客さんを楽しませる、ワクワクさせるっていうことを両立させたツアーになってるんでしょうか。
北村:そうですね。今までは、自分たちが楽しむのを優先にというか、自分たちが楽しんでないでどうすんだっていう気持ちがあって。それはもちろん今でもあるし、当たり前っちゃ当たり前なんですけど、誰かの力を借りずに自分たちで曲を作るようになったからこそ……音楽って自分のために作る側面もありつつ、聞いてくれる人に、どういう言葉で伝え、どういう感情を残してあげたいかっていう思いで歌詞を書いたり、作曲したりしてると思うんですね。その感情がまるまるちゃんとライブに投影されてるというか。昌暉が言ったように、とにかく幸せになってほしいし、ハッピーになってほしい。このライブを見た後に、言語化できないし、具体的には何がって言えないけど、「なんかすげえ時間だったな」って思ってもらいたいなというのがありましたね。
——ファイナル公演はどんなステージになりそうですか。
北村:ファイナルなので、すごくいい階段を登ってきたツアーのゴールって何なんだろうなって今考えていて。約3ヶ月、18公演分の足し算のイコールが何になるのかは、この最後のライブをやってみなきゃわからなくて。僕たちがこのライブでどういう結論を出すのかを一緒に楽しんでもらえればいいと思います。やっぱり毎年、ツアーをやるたびに自分たちも大きく成長する部分があるので、その結論自体に自分たちもワクワクしているし、1つのストーリーの終わり、こっから先のDISH//の続編に続く、1個の点をみんなに見てほしいですね。
泉:今まで回ってきたライブ1個1個にちゃんと意味があるので、その会場会場で経験したことや感じたことをちゃんと集大成として見せられたらいいなって思います。初日とは全く違うライブになってて欲しいけど、どっちも多分100点で、どっちもいいライブではあるんですよね。でも、全く内容が違うっていうのが一番いいと思うので、そこを目指して頑張りたいですね。
矢部:今回のツアーのテーマが、ハッピーや幸せなので、いつものライブより、サポートのおふたりを含めて、メンバー同士のアイコンタクトが多めになってるんですね。改めて、1曲1曲の重さを大事にしてるので、カメラがあることによって、しっかり顔が見れたりすると思う。それぞれメンバーがどこを見ていて、どんな表情をしているのかを配信で感じてもらえたら、より楽しめるんじゃないかなと思いますね。
橘:今、配信ならではの見どころを考えてたんですけど、ここが見どころっていうよりかは、全編を通して、ハッピーさをどう受け取ってもらえるかっていうのが今回のテーマだし、見どころなのかなと思いました。
——ありがとうございます。また、U-NEXTでは今回の生配信に合わせて、メンバーが出演されているドラマや映画、舞台などの映像作品も一覧にしてあります。
矢部:僕、U-NEXTめちゃくちゃ使うんですよ。舞台も配信されているし、今ちょうど、U-NEXTでNHKオンデマンドに入って、大河ドラマを見てるんですよ。ずっと使っているので、僕らのライブを配信してくださるっていうのは本当に個人的に嬉しいし、U-NEXTに入ってないという方はこの機会に入って、僕らのライブを観て、そのまま映画や舞台を楽しんで欲しいです。
北村:映画やドラマのサブスクの中で、音楽ライブを配信してくれたりとか、ライブ映像を残してくれるのは、僕らにとってはものすごく嬉しいことなんですよ。自分で自分の好きなエンタメをチョイスしやすい時代という意味では、ものすごく情報過多な時代だとは思うんですね。そういう中で、僕たちはいろんなメッセージを込めて音楽を発信するけど、ラジオ感覚で聞く人もいれば、すごく真剣に見てくれる人もいる。視覚的にも聴覚的にも楽しめるし、ライブに来れば、体感もできる。いろんな角度、いろんな捉え方をしてもらっていいと思うんですね。だからこそ、今回、配信で見てくれる人たちは、自分の見やすい体勢で、見やすい形で、見やすい時間で、楽しんでもらえればいいなって思います。僕たちがこう見てくれって決めつけることは絶対にしない。BGMなのか、生活の一部なのか、休憩タイムなのかわからないけど、自分に合った感覚で見てくれたらとっても嬉しいですね。映像作品にしろ、生配信にしろ、そこからリアルな僕たちのライブっていうものに足を運んでくれるきっかけになったら一番嬉しいですね。
<プロフィール>
DISH//
北村匠海(Vo, G)、矢部昌暉(Cho, G)、橘柊生(DJ, Key)、泉大智(Dr)の4人組ダンスロックバンド。2011年12月に結成し、2013年6月にシングル「I Can Hear」でメジャーデビュー。2020年にはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で公開された「猫」が大きな注目を集め、これまでに驚異の2億回再生を突破。2023年2月1日にはドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」の主題歌「沈丁花」や、アニメ「僕のヒーローアカデミア」第5期OPテーマ「No.1」などを収録した5枚目のアルバム『TRIANGLE』を発表。5月31日(水)には北村が作詞作曲した新曲「エンドロールは悲しくない」を配信リリース。メンバーは映画やドラマ、舞台にも数多く出演している。
2023年5月31日(水)配信リリース「エンドロールは悲しくない」
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