報われる保証のない戦いの中で「心の支え」になるものとは… 張本智和、アジア覇者が強行日程でTリーグに出場し続ける理由
アジア卓球選手権で、日本勢としては50年ぶりとなる優勝を果たした日本卓球界のエース、張本智和。悲願の五輪金メダルに向け、国際試合を転戦して腕を磨き続ける一方で、Tリーグへの出場も可能な限り続けている。その理由とは
フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級の4階級より、アジアの有望なMMA選手である8名の選手が出場し、トーナメント形式で行われる『ROAD TO UFC シーズン2』。今回日本から出場した7選手からは、フライ級の鶴屋怜選手とライト級の原口伸選手が、昨年5月のトーナメント1回戦・8月の準決勝を勝ち抜き、きたる2月4日に開催される決勝戦に進出。ともに、現在勢いを増す中国の強豪選手を相手に無敗記録のまま優勝し、UFCとの契約をめざします。試合直前の原口伸選手に最終決戦に向けての意気込みを伺いました。
──試合まであと3日となりました。現在のコンディションはいかがですか。
原口:体調はいつも通りです。気持ちの面でも特に緊張していなくて、「決勝戦まであと3日なんだ」と、本当にリラックスして準備していて、僕の中では落ち着いていると思っています。
──ラスベガスで試合をするのは初めてですか?
原口:ラスベガスは初めてですし、アメリカが初めてです。
──初めて来た感想を教えてください。
原口:カジノがいっぱいあって。空港にもあったので、そこはアメリカっぽいなって。1回やってみたいなとは思っています。
──UFC PIで調整してみていかがでしたか?
原口:試合とほぼ同じオクタゴンを使えたので雰囲気を掴めたと思います。上海PIでも思ったのですけれど、やっぱり「すごいな」って。揃いすぎてるな!と思ったり。かっこよかったです。
──そういう場が上海にもあり、そこが中国からの出場選手の拠点になっていることについてはどのように思いますか?
原口:恵まれた場所でやっているんだなとは思うのですが、そこに対してコンプレックスはなく、あちらにできないことをこちらはやっていると思っているので、特には大丈夫です。
──改めて、対戦相手である中国のロン・チュー選手の印象を教えてください。
原口:ストライカーです。身長も結構高くて、ガンガン前に出てきて激闘を好むタイプというイメージです。
──レスラーvs.ストライカーという図式になると思います。相手の打撃で注意している点は?
原口:右の攻撃がうまいので、ストレート、アッパー、ちょこちょこ左も使ってくるのでそこに気をつけます。カーフで下を散らしたりボディも散らしたりと打撃ではどこでも強いイメージがあります。
──それらを意識して練習に取り組んできましたか?
原口:相手の対策をしすぎると自分の動きができなくなることがあるので、「右が強い」というようにざっくりと相手をイメージして、やることはあまり変えずに「ここは気をつけようかな」くらいでやっていました。
──それでは、相手を想定した練習はどの程度してきたのでしょうか?
原口:背格好が似ているような選手、身長が高めの人と極力やるようにはしていましたけど、そんなに「相手がこう動いたら、こう」というような細かいことは考えずに、のびのびとやろうかと。対戦相手のロン・チュー選手と身長がほぼ一緒でオーソドックスの選手との練習で、ロン・チュー選手が得意なストレートやアッパー、カーフキックとかを出してもらったりする中で、どう自分がくぐって入るかということを練習していました。
──相手を研究してそれに合わせて動くことよりも、自分のやりたいことをいかにやれるかに重点を置いたのでしょうか。
原口:自分はまだ経験も浅く、いろんなことをやるよりも一個の強みをぶつけていくタイプなので、そこにはこだわりがあります。
──そういう戦いの中でどんなところを一番、見ている人に伝えたいですか?
原口:前回がちょっと自分のなかでしょっぱい試合だったというのはあるのですが、自分がこの試合にかける思いを、試合内容で感じてもらえればと思います。
──トーナメント戦なので勝利にこだわっていく試合にはなると思うのですが、その勝ち方という点ではいかがですか。
原口:最初は勝つことだけに必死で作ってきたのですけど、宮田代表とか、マネジメントの前田さんに、「悔いが残らないように戦うこと」と言われて、そこが自分の中でしっくりきたので、しっかり出し切るという気持ちでいようと思っています。
──勝利そのもの以外にこの試合を通してテーマや課題として設定していることはありますか?
原口:自分が持っているものを全て出し切ることが自分のテーマです。
──昨年5月から出場しているRTUのトーナメント全体を通して、ご自身のなかで変化や成長を感じていることはありますか?
原口:準決勝のイレギュラーや今回決勝が延びたことなどがあって、準決勝で勝てたことは自分のなかでは普通の試合で勝ったときよりも得られるものがあると思いましたし、そういうところで成長につながったなと思います。
──先ほど経験がまだ浅いとおっしゃっていました。MMAを始めてからのご自身のキャリアプランのようなイメージと、現在の状況を照らしていかがですか?たとえば「自分が思っていたより早くここに着いた」あるいは逆に「やっとここまで辿り着いた」であるとか。
原口:周りからは「早い」と言われますけど、自分としては勢いがあるうちに行きたかったので、順当だと思います。
──そうやって「行きたい!」と強く思わせるUFCの魅力とは?
原口:やっぱりあの「殺伐とした、強さだけが存在している世界」。そこがいいですね。
──そんなUFCで試合をすることはご自身にとってどのような意味がありますか?
原口:総合格闘技をやっている身としては絶対にごまかせない世界最高峰の舞台で試合をすることに総合格闘家としての一番の意味があると思います。
──試合をご覧になる方にメッセージをお願いします。
原口:日本で応援してくださるみなさん、今回RTU決勝、しっかり契約を勝ち取って、その後、UFCで活躍できるようにがんばっていきますので、応援よろしくお願いします。
【イベント概要】
イベント名:ROAD TO UFC シーズン2 決勝戦
フライ級(56.7kg以下)決勝:鶴屋怜(日本)vs. ジー・ニウシュイエ(中国)
フェザー級(65.8kg以下)決勝:イー・ジャー(中国)vs. リー・カイウェン(中国)
ライト級(70.3kg以下)決勝:原口伸(日本) vs. ロン・チュー(中国)
※バンタム級決勝戦は、シャオ・ロンの負傷により延期
日程:2024年2月4日(日)13:30開始
開催地:アメリカ・ネバダ州ラスベガス
会場:UFC APEX
配信情報:U-NEXT 見放題ライブ配信
*開始時間や対戦カード、対戦順は予告なく変更となる場合があります。
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