ソウル・瑞草洞(ソチョドン)は、裁判所や法律事務所がひしめく“法の街”だ。そこに位置するヒョンミンビルには複数の弁護士法人が入居し、日々、弁護士たちが奔走している。
このビルで働く5人の若手弁護士たちは、それぞれ異なる事務所に所属しながらも、日々の昼食や夕食を共にする食事会を通じて絆を深めていた。
その中心的存在であるアン・ジュヒョンは、弁護士歴9年目のアソシエイト弁護士だ。感情に流されず冷静に勝算を見極める姿勢で、仲間からの信頼も厚い。
ある日、メンバーのひとり、ユ・ドンウクが突然退職。その後任としてヒョンミンビルにやってきたのが、新人弁護士カン・ヒジだ。前任者の引き継ぎメモをきっかけに、彼女も食事会のメンバーとなった。ヒジは経験こそ浅いものの、依頼人ひとりひとりに丁寧に向き合う。そんな彼女のひたむきさに、冷静な理論派のジュヒョンも次第に心を開いていく。実は彼らには、かつて香港で偶然出会い、共に過ごした思い出があった。
依頼人の人生に寄り添うなかで、弁護士たちは自分自身の信念や正義感と向き合い、徐々に成長していく。多様な価値観を持つ仲間との交流や、何気ない食事の時間を通じて、法律家としてだけでなく、ひとりの人間としても成長していく彼らの姿を描いた、リアリティあふれる心温まる法廷ヒューマンドラマだ。
本作の脚本は、現役弁護士のイ・スンヒョンが手がけている。法廷ドラマによくある過剰な演出を排除し、弁護士たちの日常的な思考プロセスや、依頼人・同僚との関わり方をリアリティある描写で表現しているのが特徴だ。
舞台となる瑞草洞は、ソウル中央地裁をはじめとする大規模な法曹施設と数百の法律事務所が集まる“法の街”。この地で奮闘する若手弁護士たちの等身大の姿が、軽快な会話劇や日常のシーンを通じて丁寧に描かれる。
専門用語を必要以上に使用せず、視聴者を自然と法曹の世界に引き込む構成も秀逸。肩の力を抜いて楽しめる群像劇として、幅広い層から共感を得ている。
除隊後の復帰作『ビッグマウス』で三流弁護士を演じて話題を呼んだイ・ジョンソクが、本作でも弁護士役に挑戦する。『ビッグマウス』とは対照的に、今回演じるのは信頼厚い実力派弁護士ジュヒョンだ。銀縁メガネとスーツという知的な王道スタイルで、シーンごとにファンの心を魅了する。
ジュヒョンの食事仲間であり、香港で甘い思い出を共有したヒジ役は、ムン・ガヨン。互いに距離をとりながらも、意識し合わずにはいられない2人の関係性と、これから展開されるロマンスの行方に注目だ。
本作の大きな魅力のひとつが、主人公たちが“食事”を通じて絆を深めていく描写だ。食事のシーンは法廷シーンに匹敵するほどの比重で描かれ、食卓の温かさが人間ドラマをより豊かに彩っている。
本作の法廷で争われるのは、明け渡し訴訟や離婚調停といった身近なトラブルが中心。しかしその背景には、依頼人の複雑な人生がある。登場する弁護士たちはそれぞれ異なる価値観や生き方を持ちながらも、依頼人の人生に真摯に向き合い、解決に向けて奮闘している。
そんな彼らは、食事を共にすることで自然と本音を交わし、時には助言を与え、時には支え合う。軽妙な会話のテンポと心温まるやりとりは、視聴者に緊張感漂う法廷シーンの合間の癒しの時間を提供している。
弁護士歴9年目のアソシエイト弁護士。独立を促されても断り続けるなど、出世欲や野心よりも、安定と誠実さを重んじる現実主義者。どんな事件にも冷静かつ論理的に向き合うスタンスを貫いている。依頼人に対しても感情を交えず、勝つために必要なことを着実にこなす。派手さはないが、周囲からの信頼は厚く、若手弁護士たちの良き相談役でもある。
キャスト:イ・ジョンソク
1989年生。16歳の時にモデルとしてデビューし、高い評価を受ける。2010年にドラマ『検事プリンセス』で俳優としての第一歩を踏み出す。同年に出演した『シークレット・ガーデン』で人気を博し、その後、『ピノキオ』『ロマンスは別冊付録』などの話題作に出演。2022年には、兵役除隊後の復帰作『ビッグマウス』で主演を務め、さらなる評価を獲得。長身と知的な雰囲気を活かした繊細な演技に定評がある。
◆代表作:『あなたが眠っている間に』『ドクター異邦人』『君の声が聞こえる』
法曹の世界に足を踏み入れたばかりの新米弁護士。ジュヒョンたちの食事仲間だったドンウクの退職に伴い、後任として採用される。ドンウクが残した「引き継ぎメモ」をきっかけに、食事会のメンバーとなる。弁護士としての経験はまだ浅いが、依頼人ひとりひとりと真摯に向き合う誠実な性格の持ち主。実は過去に、ジュヒョンと香港で出会っていた。
キャスト:ムン・ガヨン
1996年生。ドイツ出身で、ドイツ語、韓国語、英語の3か国語を操るトリリンガル。2006年に子役として芸能界入りし、映画やドラマ、CMに多数出演した。2020年の大ヒットドラマ『女神降臨』では、外見に強いコンプレックスを抱えるヒロインを見事に演じ切り、大ブレイク。直近では『あいつは黒炎竜』のヒロインを務めた。コメディからラブロマンスまで幅広い演技力で注目を集めている。
◆代表作:『あいつは黒炎竜』『女神降臨』『その男の記憶法』
4年目のアソシエイト弁護士。明るく人懐っこい性格で、食事グループのムードメーカー的な存在だ。一方で、上司の策略で詐欺加害者の話し相手役を押し付けられたり、下請け企業を営む父が大企業に翻弄される姿を目の当たりにしたりと、社会の不条理と向き合いながら日々の業務に従事している。
キャスト:カン・ユソク
1994年生。2018年にドラマ『神のクイズ:リブート』で俳優デビュー。その後、『浪漫ドクター キム・サブ2』『ペイバック~金と権力~』など話題作に出演し、安定感のある演技力で存在感を発揮した。2023年の『いつかは賢いレジデント生活』では、医師としての成長と葛藤を丁寧に演じ、知名度と人気を一気に獲得。繊細な感情表現に定評がある。
◆代表作:『いつかは賢いレジデント生活』『ひかり男子高生徒会』『ペイバック~金と権力~』
8年目のアソシエイト弁護士で、ジュヒョンと同じ弁護士法人に勤務している食事仲間。ジュヒョンとはロースクールの同期だが、1年遅れて弁護士となった。冷静かつ的確な判断力で同僚たちからの信頼も厚く、後輩を陰ながら気遣う“姉御肌”の一面も。夫はジュヒョンの高校時代の同級生である看護師ジソク。仕事に邁進する中、想定外の妊娠が発覚し、戸惑いながらも新たな選択肢と向き合うことになる。
キャスト:リュ・ヘヨン
1991年生。2007年にインディーズ映画『女子高生だ』で主演デビューを果たす。2015年に国民的ドラマ『恋のスケッチ~応答せよ1988~』で主要キャストを演じ、一躍注目を集めた。その後も『ウンジュの部屋』や『ロースクール』などに出演。芯の強い女性像を巧みに演じ、高い評価を獲得した。映画への出演も多く、2025年には主演作『キリングタイム』が公開予定だ。
◆代表作:『ロースクール』『ウンジュの部屋』『ザ・メイヤー 特別市民』
弁護士歴5年目のアソシエイト弁護士。仕事では「自分の生活と収入が最優先」という明確な価値観を持ち、給料アップのために転職した過去も。依頼人には「営業スマイル」で信頼を獲得している。自身のブログ『弁護士のごはん』も人気。実家が貧しく、学費を稼ぎながら大学に通っていたため卒業に8年かかった苦労人でもある。ジュヒョンたちと日々食事をともにする仲間のひとり。
キャスト:イム・ソンジェ
1987年生。演劇でキャリアを積んだのち、2018年に映画『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』でスクリーンデビュー。2022年に出演した『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で演じたトルボネ酒店の温厚なひげ店主役で広く知られる存在となった。『ヴィンチェンツォ』『ムービング』『最悪の悪』などジャンルを問わず活躍し、冷静で理知的な役から裏社会の男まで幅広く演じ分ける。
◆代表作:『ニュートピア』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』
作品名:『瑞草洞<ソチョドン>』
原題:서초동
製作年/制作国:2025年/韓国
ジャンル:ヒューマンドラマ
※配信日時は予告なく変更する場合があります。
第1話:2025年7月5日 23:20~
第2話:2025年7月6日 23:20~
第3話:2025年7月12日 23:20~
第4話:2025年7月13日 23:20~
第5話:2025年7月19日 23:20~
第6話:2025年7月20日 23:20~
第7話:2025年7月26日 23:20~
第8話:2025年7月27日 23:20~
第9話:2025年8月2日 23:20~
第10話:2025年8月3日 23:20~
第11話:2025年8月9日 23:20~
第12話:2025年8月10日 23:20~
前回に続いて、韓国ドラマの“時代劇”を厳選。現代ではなく、韓国の時代劇というレアな設定ながら、「ときめく気持ちは時代を超える!」ということで、韓ドラ時代劇のラブストーリーをお届けします。
『プロット 殺人設計者』公開や『北極星(原題)』配信によってドンウォンの虜になる方に向けて、おすすめ映画5作品をご紹介!