米HBOにて1998年から2004年にかけて6シーズンが放送され、その後に映画も2本作られた大ヒットシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』(以下、SATC)の新シリーズが10年以上の時を経て誕生!
かつて30代だったキャリーたちも今では50代。子どもが成長し自分や夫の老いも気になる中、相変わらずニューヨークの街角で女子会を開いて近況を報告し合っています。そんな平穏な日々は思わぬ出来事から大きく変わり始めて…。
キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーをはじめ、オリジナルドラマと映画に出演していたメインキャストのほとんどが続投。声優もおなじみの面々が務めています。脇役が時折登場するところもファンには嬉しいポイント。また、ミランダ、シャーロットの子どもたちが大きく成長し、これまでとは一味違った形で作品の幅を広げています。さらに、この新シリーズから加わった面々もそろって魅力的。『グレイズ・アナトミー』のサラ・ラミレス、『HOMELAND』のサリタ・チョウドリーらがこれまでのキャストと新たな化学変化をもたらしています。
1話あたりの長さがSATCのおよそ倍となったことで、より細やかな描写が可能に。ある共通のテーマに対するキャラクター“それぞれの場合”が描かれるという、SATCの頃からの手法も健在です。それを実現しているのが、SATCと映画2本に関わり、この新シリーズでも指揮を執るマイケル・パトリック・キング。SATCでエミー賞7冠に輝いたクオリティの高さをキープし、まるで全10話の映画とも言うべき作品に仕上がっています。なお、『AND JUST LIKE THAT... シーズン1 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』は日本のドラマファンの心も掴み、「2022年にU-NEXTで最も見られた海外ドラマ」という称号を手にしています。
数々の社会現象をもたらした『セックス・アンド・ザ・シティ』シリーズだけあって、流行の最先端ニューヨークならではの魅力が満載。メインキャストそれぞれのキャラクターに合わせたファッションにも注目です。ドラマや映画で目にしたことのあるドレスや靴が再びお目見えするほか、新たなトレンドもふんだんに盛り込まれています。また、日本発のファッションブランド「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」デザインのアイテムが登場することでも話題になりました。
さらにセントラルパーク、コロンビア大学、ウェブスターホール、チェルシーマーケットなどをキャリーたちが訪れている様を見ていると、一緒にニューヨークを巡っている気分になれるはず!
キャリー・ブラッドショー
コラムニストで作家。ファッション、特に靴に対するこだわりが強く、独身時代は稼いだお金のほとんどを靴に費やすことに。独身時代は様々な男性と付き合ったものの、紆余曲折の末にビッグと結婚。
キャスト:サラ・ジェシカ・パーカー
『アニー』の舞台に主演するなど子ども時代から活躍。ジャンルを問わず様々な作品に出演しており、エミー賞主演女優賞を受賞した『セックス・アンド・ザ・シティ』以降はドラマ界が主戦場に。夫は俳優のマシュー・ブロデリック。
◆代表作:『ホーカス ポーカス』『エド・ウッド』『Divorce/ディボース』
シャーロット・ヨーク
キャリーの親友の中で最も家庭的でロマンチスト。イベントは完璧に準備してやり遂げるタイプ。養子のリリーと実子のローズという2人の子どもの母親。独身時代はアートディーラーとして働いていました。夫のハリーに合わせてユダヤ教に改宗。
キャスト:クリスティン・デイヴィス
『メルローズ・プレイス』にレギュラー出演。『セックス・アンド・ザ・シティ』ではエミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネート。シャーロットの印象からか、映画では妻や母親役を演じることが多い。
◆代表作:『メルローズ・プレイス』『ライトアップ! イルミネーション大戦争』『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』
ミランダ・ホッブス
キャリーの親友の中で最も頼りになる存在。弁護士でしっかり者だが、本人は型にはまりがちな自分にコンプレックスを感じることも。ゴシップ大好き。腐れ縁だったスティーブとの間に息子ブレディが生まれた後、彼と結婚。
キャスト:シンシア・ニクソン
サラ・ジェシカと同じく子どもの頃から俳優として活動し、アカデミー賞8冠を果たした『アマデウス』にも出演。『セックス・アンド・ザ・シティ』と『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』でエミー賞を獲得。さらにトニー賞、グラミー賞も手にしています。
◆代表作:『ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-』『アマデウス』『キャシーのbig C いま私にできること』
ミスター・ビッグ
大金持ちでキャリーの最愛の夫。付き合っていた頃はなにかと揉めていたものの、キャリーを失いたくないことに気づいて結婚。彼女のために豪華なウォークインクローゼットを用意したり手料理をふるまったりと、スパダリぶりを発揮しています。
キャスト:クリス・ノース
若い頃から数多くのドラマでレギュラーを務め、『セックス・アンド・ザ・シティ』と『グッド・ワイフ』でゴールデン・グローブ賞候補に。マンハッタンに音楽バーを所有し、数々の人気アーティストがそこでパフォーマンスをしているとか。
◆代表作:『LAW & ORDER ロー&オーダー』『キャスト・アウェイ』『グッド・ワイフ』
スティーブ・ブレディ
元バーテンダーで現在はバーのオーナー。ミランダの良き理解者で、彼女と付き合ったり別れたりを繰り返した後、子どもが生まれて結婚。最近は耳が遠くなり、補聴器をつけています。
キャスト:デヴィッド・エイゲンバーグ
レギュラー出演の『セックス・アンド・ザ・シティ』と『シカゴ・ファイア』でバーを所有する役を演じていますが、本人は下戸。そのほかにも数々の人気ドラマにゲストとして参加しています。映画『ガーフィールド』では声優を務めたことも。
◆代表作:『プロフェシー』『ガーフィールド』『シカゴ・ファイア』
ハリー・ゴールデンブラット
シャーロットの夫。彼女が前の夫と離婚する際にその弁護士として出会うと、シャーロットに惚れ込み、猛アタックの末に落として結婚。感情の起伏の激しいシャーロットを冷静に支えています。汗っかきで、かつて家では裸で過ごしていたことも。
キャスト:エヴァン・ハンドラー
トム・クルーズらが出演した1981年の青春映画『タップス』で映画デビュー。『カリフォルニケーション』では小説家である主人公のエージェント役を好演しました。若い頃に急性骨髄性白血病を患った経験があり、そのことを綴った著書も出版しています。
◆代表作:『タップス』『身代金』『カリフォルニケーション』
スタンフォード・ブラッチ
キャリーのゲイの友達。付き合いは長く、2人で一緒にゲイバーなどへも出かけています。かつて資産家である祖母を喜ばせようと、キャリーを結婚する相手として紹介したことがありましたが、祖母にはゲイであることがバレていました。
キャスト:ウィリー・ガーソン
数々のドラマに出演したほか、ミランダ役のシンシア・ニクソンとは映画『小さな恋のものがたり』でも共演。ドラマ版や映画に続いて『AND JUST LIKE THAT…』にも参加していましたが、2021年9月、膵臓ガンにより57歳で逝去。
◆代表作:『忘れられない人』『ホワイトカラー』『小さな恋のものがたり』
アンソニー・マレンティーノ
シャーロットが最初の結婚のウェディングプランナーとして知り合ったゲイの友達。口が悪い。スタンフォードとは初対面の時から仲が悪かったものの、ある年の大晦日にキスをしたことから交際するようになり、結婚。
キャスト:マリオ・カントーネ
俳優だけでなくスタンダップ・コメディアンや歌手としての顔も持っています。アニメ映画『サーフズ・アップ』では声優を担当。さらに数多くの舞台に立っており、『テンペスト』ではパトリック・スチュワートと共演しました。
◆代表作:『サーフズ・アップ』『おしゃれ探偵のミステリーファイル』『アザーフッド 私の人生』
チェ・ディアス
キャリーが出演しているポッドキャスト番組のホストを務める人気コメディアン。ノンバイナリーで数多くの男性、女性と付き合ってきた経験があり、ハッパを持ち歩いています。本名であるシェリル(Cheryl)の最初の3文字を取って「チェ」と名乗っています。
キャスト:サラ・ラミレス
2005年に『モンティ・パイソン』作品を元にした舞台でトニー賞を受賞。翌年から『グレイズ・アナトミー』で10シーズン以上にわたってカリー・トーレスを演じています。ディズニーアニメ『ちいさなプリンセス ソフィア』シリーズでは声優を担当。
◆代表作:『グレイズ・アナトミー』『ちいさなプリンセス ソフィア』『マダム・セクレタリー』
シーマ・パテル
キャリーが知り合う不動産仲介人。独身のため、見合い結婚をした両親から結婚を急かされていますが、運命の相手は自分で見つけたいタイプ。姉御肌で面倒見はいいものの、嫌なことははっきり嫌と言うキャラクターで、何度も禁煙に失敗。
キャスト:サリタ・チョウドリー
デンゼル・ワシントンの恋人を演じた1991年の『ミシシッピー・マサラ』で映画デビュー。イギリス出身ですが、キャリア初期から同国以外の作品にも数多く出演。キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカー主演ドラマ『Divorce/ディヴォ―ス』にも出演しています。
◆代表作:『ミシシッピー・マサラ』『HOMELAND』『Marvel ジェシカ・ジョーンズ』
リサ・トッド・ウェクスリー
通称LTW。シャーロットのママ友で、ドキュメンタリー作家で慈善家。黒人アーティストの作品を収集しています。投資銀行家である夫とラブラブで、かわいい子どもたちに恵まれているものの、姑との仲は良くない。
キャスト:ニコール・アリ・パーカー
1995年の映画『2ガールズ』で主役である2人の少女の一人を演じるなどキャリア初期は映画が中心でしたが、2000年以降は多くのドラマにも出るように。舞台では『欲望という名の電車』でブランチを演じました。
◆代表作:『2ガールズ』『タイム・アフター・タイム ~H・G・ウェルズの冒険』『Empire 成功の代償』
ナヤ・ウォレス
ミランダが講義を取ったコロンビア大学の法学部教授。女性の人権のために活動しています。ミュージシャンである夫と体外受精を試みていますが、実は母親になるか否かで悩んでいます。
キャスト:カレン・ピットマン
もともとは歌手志望で、その後に女優を志すように。レギュラー出演している『ザ・モーニングショー』をはじめ、ドラマ界で主に活動しています。
◆代表作:『Marvel ルーク・ケイジ』『ジ・アメリカンズ』『ザ・モーニングショー』
作品名:AND JUST LIKE THAT... シーズン1 / セックス・アンド・ザ・シティ新章
原題:And Just Like That...
制作年/制作国:2021年/アメリカ
ジャンル:ドラマ/ラブストーリー・ラブコメディ/ガールズ
2024年に観た作品の中で、最も記憶に残っている、人におすすめしたい作品を宇多丸さんに聞きました!