「DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.32」対戦カード発表! “OPBFフライ級王者”飯村樹輝弥 防衛戦&日本ライト級王座決定戦
5月3日開催のボクシング「第32回DYNAMIC GLOVE」、飯村樹輝弥ほか全試合の見どころをレポート
5月3日開催のボクシング「第32回DYNAMIC GLOVE」は、OPBF東洋太平洋フライ級タイトルマッチ「飯村 樹輝弥 vs エスネス ドミンゴ」がメインイベント!
この二人は、飯村のプロ4戦目で対戦し、その時はドミンゴがTKO勝利を収めている。飯村は、唯一敗れている相手に雪辱し、タイトル初防衛に成功することが出来るのか!
また、セミファイナルで行われる日本ライト級王座決定戦「村上 雄大 vs 仲里 周磨」の一戦もリターンマッチ!前回、判定勝利している仲里はKO勝利宣言!村上の巻き返しに注目が集まる!
本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線での観戦レポートと対戦結果をお届け!
OPBF東洋太平洋フライ級チャンピオン、飯村輝弥は、現在WBA7位、WBO14位、IBF14位、WBC19位、WBOアジアパシフィック2位にランク。スピードとテクニックを駆使した、打たせずに打つボクシングでポイントアウトするのが信条。しかし、時に乱打戦に応じるハートの強さを見せる。初防衛戦の対戦相手は、2022年10月に初黒星を付けられた、エスネス・ドミンゴ。およそ2年半ぶりのリマッチとなった。飯村はその間に、日本タイトルを3度防衛し、OPBFタイトルも手に入れた。
対する、エスネス・ドミンゴは、IBFフライ級4位、WBO13位、OPBF1位、WBOアジアパシフィック5位。強烈な左右フックを振り回す、超攻撃的スタイルで5連続KO勝利中。2022年10月、デビューから3連勝していた飯村樹輝弥と対戦し、3度のダウンを奪うTKO勝利。同年12月、今度は富岡浩介と対戦し、かなりのダメージを負いながらも、ワンパンチで逆転KO勝利。パンチの破壊力を印象づけた。
飯村樹輝弥、OPBF王座初防衛戦!挑戦者は、唯一敗れているエスネス・ドミンゴ!リベンジし、世界への重たい扉を開くことが出来るのか!
1回、飯村はドミンゴの強打を警戒しながら、ジャブで組み立て左ボディ、右ストレートのカウンターを合わせる。2回、ドミンゴがプレッシャーを強める。右アッパーで飯村のガードを破り、優勢をアピールした。しかし、飯村も右ボディストレート、左ボディを返す。
3回、飯村から仕掛け、シャープなジャブでドミンゴを下がらせると、ドミンゴも左フックを強振し、拮抗した攻防が続く。4回、飯村のフットワークが冴え、ドミンゴの空振りが増える。飯村はドミンゴの左フックを外すと、そのまま右ボディストレートを打ち込み、ドミンゴのスタミナを削る。飯村としては、理想的なヒット・アンド・アウェイを見せた。
4回終了時点で発表された途中採点は、39-37、37-39、38-38と三者三様のドロー。緊迫した良い試合になっている。
5回、飯村は追い足が鈍くなったドミンゴの周りをサークルしながら、右ストレートの相打ち、カウンターを狙う。かなり危険なタイミングでの攻防だが、飯村はドミンゴの動きをインプットしたように見えた。6回も飯村が押す展開が続き、ドミンゴのパンチは空を切り、飯村は右ストレートを打ち落とす。7回、飯村はアウトボクシングを展開し、ドミンゴのパンチが届かない距離で試合をコントロールした。8回、飯村はドミンゴのパンチをことごとく外すと、左フック、右ストレートを的確にヒット。
8回終了時点での途中採点は、ジャッジ二者は77-75で飯村、一者が77-75でドミンゴを支持、2-1で飯村の優勢に変わった。
9回、飯村は確実にドミンゴのパンチを空振りさせると、右ボディストレート、左ボディでドミンゴのスタミナと心を削る。ドミンゴは、暖簾に腕押し状態。10回、飯村はスピードと手数が落ちたドミンゴに右ストレートを巧打。11回、形勢逆転を狙うドミンゴは、力を振り絞り強いパンチで打ち合いを挑むが、逆に飯村の右カウンターを貰い失速。
そして最終12回、スピードの落ちない飯村は、ワンツーから左フックを返すと、そのまま左ボディを叩くコンビネーションで突き放す。ドミンゴも一発逆転を狙うが、最後まで的中率で飯村を勝ること出来ずに、試合終了のゴングを聞いた。
判定は、117-111、117-111、115-113の3-0で飯村が勝利!OPBF東洋太平洋フライ級タイトルの初防衛と、唯一敗れている相手へのリベンジに成功した!
飯村樹輝弥選手、打たせずに打つ理想的なボクシングで世界ランカー同士の対決を制した。陣営が立てた作戦も素晴らしかったが、それを実行しきる飯村選手のボクシングセンスの高さが証明された!第1戦で敗れてから2年半、大きな成長と進化を見せてくれた!
村上雄大は、日本ライト級1位、OPBF12位、WBOアジアパシフィック15位。長身サウスポーの特性を活かし、懐深く構え、中間距離をキープし、打たさずに打つボクシングでポイントを積み重ねるテクニシャン。2023年12月、仲里周磨の持つ日本タイトルに挑戦するも判定負け。しかし、再起後は2連勝と調子を上げ、空位の王座決定戦出場のチャンスを掴む。くしくも2度目のタイトル挑戦の相手が、前回敗れている仲里周磨とのリターンマッチとなった。
仲里周磨は、日本ライト級2位、WBC32位、OPBF4位。前日本ライト級王者。強いフィジカルを活かしたプレッシャーと左右の強打で数々の名勝負を演じてきた、好戦的なボクサーファイター。2023年4月、現OPBF、WBOアジアパシフィック王者の宇津木秀が日本王者時代に対戦し、3回に強烈なKO勝利でタイトル奪取し、センセーションを巻き起こす。2023年12月、地元の沖縄で村上雄大と対戦し、3-0の判定勝利で初防衛に成功。しかし、2024年4月、2度目の防衛戦で三代大訓の挑戦を受けて判定負けし王座陥落。今回、三代選手の王座返上に伴い、ビッグチャンスが舞い込んできた。再戦では、KO勝利で返り討ちを狙う。
村上雄大VS仲里周磨パート2!ライト級ウォーズには続きがあった!KO決着なら仲里周磨、判定決着なら村上雄大か!
試合は1回、長身サウスポーの村上がジャブで距離を取り、ファイターの仲里が懐に飛び込もうとアタックする展開で始まる。仲里はパンチを振りながら接近するが、距離が詰まると村上にクリンチされ、パンチに繋げることが出来ない。2回、仲里は、村上のジャブをかいくぐりインファイトをしかけるも、やはりお互いの腕が絡まり揉み合いに。
3回、仲里は右ストレートを軸に立て直しをはかるが、クリーンヒットは奪えず。4回、村上は、打ち合いに持ち込みたい仲里をジャブとクリンチでいなす。クリンチ際、仲里が村上を引き倒す場面も。仲里のフラストレーションが感じられる。5回、仲里は右ストレートを捻じりこむような強引な攻撃をしかけるが、村上のクリンチに追撃を阻まれる。
5回終了時点の途中採点が発表され、ジャッジ三名ともに48-47で村上を支持。
6回、村上のホールディングに注意が与えられ、試合は再開。ギアを上げた仲里は、村上をコーナーに釘付けにして、左右連打を浴びせるが仕留めきれず。7回、仲里の攻勢は続く。仲里は、村上にロープを背負わせての防戦の時間を多く作るが、決定打に結び付けられず。
8回、仲里は、やや攻め疲れか踏み込みの足が鈍り、村上のジャブに顔面を弾かれる。また、偶然のバッティングで右目上をカット。9回、今度は村上がプレスをかけ、仲里を下がらせる。これまでとは逆に、仲里の方がクリンチに逃れる。
いよいよ最終10回、積極的に攻め込むのは村上。だが、そこに右カウンターを合わせる仲里!もう少し深く入っていれば、KOかというような危険なタイミングでヒットする。あとは両者、死力を尽くした戦いに!シーソーゲームは判定に委ねられた。判定は、ジャッジ三名ともに95-95のドロー。新チャンピオン誕生はお預けとなった。
村上雄大選手、初戦は3-0判定負け、この第2戦はドローと、仲里選手との距離は確実に縮まっている!第3戦があるのなら、その時こそタイトル獲得だ!
仲里周磨選手、思うような打ち合いに持ち込めず、フラストレーションが溜まる悔しい試合だった。3度目の対戦が実現するのであれば、その鬱憤を晴らすような爆発を期待したい。
藤田炎村は、OPBFスーパーライト級3位、日本2位。2019年度西日本新人王、前日本スーパーライト級王者。12勝のうち10度KO勝利し、いずれも4ラウンド以内に仕留めているハードパンチャー。攻撃的でアグレッシブなファイトスタイルが特徴的で、パンチは左右ともに高い破壊力を誇る。昨年4月、3度防衛した日本タイトルを李健太に奪われて以来の再起戦。再びトップ戦線浮上のため、絶対に落とせない一戦。
川村英吉は、日本スーパーライト級12位。2023年度全日本スーパーライト級新人王。国体準優勝の実績が裏付ける基本に忠実なテクニックと、固いガードから打ち込む、重たいジャブと左フックのカウンターは、一発逆転のパワーを持つ。2024年は、対戦相手のレベルが上がり、苦しい試合展開も増えたが、逆転KO劇でキャリアを積む。
打撃戦必至!KO決着必至!前スーパーライト級王者の藤田炎村と新鋭、川村英吉が激突するサバイバルマッチ!なるか下剋上!
1回、積極的にジャブ、ワンツーで前に出る藤田に対し、川村はガードを固めて、打ち終わりに右ストレートを狙う。まずは、挨拶代わりに、藤田の放った右ストレートが浅くヒット。川村も左フックで対抗する。しかし、時折見せる藤田の右フックの豪快なスウィングには迫力がある。
2回、川村のジャブが走り始める。藤田のプレッシャーに対し、ジャブでタイミングを計りリズムを作る。しかし、藤田の左右フックに押され、コーナーに詰まる場面も。
そして3回、川村はガードの上を打たせると、右アッパーがカウンターでヒット!手ごたえを感じた川村は、怒涛の連打で藤田をコーナーに押し込む!藤田のガードが下がり、顔面がガラ空きになった瞬間に、速射砲のような連打を畳み掛ける。しかし、この攻撃を踏みとどまった藤田は、左右フックで押し返す!さすが前チャンピオン、簡単には倒れない!だが、藤田のダメージは明らかで、足元がふらついている。川村は、再びアッパーからの連打で藤田を棒立ちにすると、怒涛のラッシュでロープまで弾き飛ばし、レフェリーストップを呼び込んだ。新鋭の川村が、前チャンピオンの藤田に3回TKO勝利!リングで喜びを爆発させる姿が印象的だった。
藤田炎村選手、自慢の強打を固いガードに阻まれてしまった。キャリア初の連敗となり、トップ戦線浮上はお預けとなったが、まずは、心身ともに回復を願う。
川村英吉選手、2試合続けてチャンピオン経験者と対戦というハードマッチメイク。そして、見事なTKO勝利。陣営の期待、ファンの期待は膨らむ!見たいぞタイトルマッチ!
杉浦義は、日本ミニマム級9位。2024年度全日本ミニマム級新人王。ガードを高く構え、グイグイとプレッシャーをかけ接近し、いきなり打ち込む変則的な右ストレートが武器。打ちつ打たれつの激闘スタイルに巻き込み、乱打戦に持ち込み押し切れるか。
宮川晟は、現役高校生ボクサーとして、2022年7月プロデビュー。サウスポー、オーソドックスを使い分けるスイッチヒッターかつ、インファイトもアウトボクシングも相手に合わせることが出来る変幻自在なボクサーファイター。横浜光ジムに移籍後の初勝利を飾れるか注目。
激闘型ファイターと技巧派ボクサーの対決!杉浦義の執拗なプレッシャーを宮川晟が攻略できるのか注目!
試合は1回、宮川の先制攻撃から始まる。宮川が、杉浦の突進を上回るプレッシャーと手数で接近戦に持ち込む。技巧派の宮川がインファイトを仕掛けたので意表を突かれた。
2回、再び接近戦に。もともとスロースターターの傾向がある杉浦は、慌てることなくコツコツとパンチを返す。お互いに手数の多い試合だが、的中率は杉浦が上回ったように見える。
3回、杉浦のプレッシャーが強くなる。宮川の回転力はあるが軽いパンチに対して、杉浦は相打ちで押し込む。4回、杉浦はパンチを出しながら、宮川をコーナーやロープに詰めるシーンが増える。宮川もスイッチしながらポジションを変えて手を返すが、いかんせん接近戦になってしまうと左右の構えの違いはさほど関係なくなってしまう。
5回、前に出続ける杉浦に対し、宮川はサウスポースタイルでやや距離をとろうとするが、杉浦の左ボディ、右ストレートで、なかなか止められない。
そして迎えた最終6回、宮川がスイッチしながら繰り出すパンチの回転力は、いまだ衰えない。しかし杉浦は、そんなことお構いなしに、頭を振りながらワンツーを叩き込む!手数自体は、宮川が上回ったかもしれないが、的中率では杉浦が勝った。試合は判定となり、3-0で杉浦の大差判定勝利となった。
杉浦義選手、自分はこの戦い方しか出来ないと、インファイトでの激闘スタイルを貫き通してきた。今回は、自分のボクシングを存分に発揮できた、完璧な勝利だったのでは。
宮川晟選手、相手が一番戦いやすい土俵で勝負してしまった。アウトボクシングで、杉浦選手を翻弄するようなボクシングを展開したら、結果は変わったのかもしれない。
鈴木丈太朗は、2024年5月プロデビュー。2021年全日本選手権3位、2022、2023年国体3位の実績を持つ元アマチュアエリート。右ストレートを打ち込む技術と自信にみなぎったパフォーマンスは、およそ新人離れしている。しかし昨年7月のプロ2戦目、優勝候補筆頭で臨んだ東日本新人王予選で、まさかのKO負け。今大会での巻き返しに期待がかかる。
水口滉太郎は、2023年6月プロデビュー。デビュー戦こそ3回TKO勝利を飾ったが、その後は3連敗。昨年10月以来の試合となる。得意の左フックでペースを握り、連敗脱出なるか。
9名がエントリーした、東日本新人王フライ級トーナメント1回戦!鈴木丈太朗が昨年の無念を晴らすのか、水口滉太郎がアップセットを起こすのか注目!
試合は1回、鈴木がプレッシャーをかけ、左リードジャブからの右ストレート、右アッパーをヒットさせ、水口を後退させる。ところが2回、水口が反撃開始。頭がぶつかりそうな程の接近戦で左右フックを強振し、鈴木のリズムを崩す。鈴木は、スリッピングアウェイでパンチの威力を逃がしながら応戦。下がりながらも右ストレートのタイミングを探る。
3回、水口は前のラウンドの勢いそのままに突進、右ストレートで鈴木を後退させる。しかし鈴木は、カウンターの右アッパーをクリーンヒットさせると攻守逆転。上下を打ち分けるコンビネーションをまとめると、最後は右ストレートで水口をマットに沈めた。優勝候補の鈴木が、3回TKO勝利でトーナメント2回戦にコマを進めた。
鈴木丈太朗選手、ポテンシャルはC級レベルではないことは周知の事実。どうしても勝って当たり前とハードルを上げて見てしまう。しかしながら、そんな高いハードルを軽々と越えていく姿を期待してしまう。
水口滉太郎選手、2回からの攻撃的な姿勢は勇敢だったし、勝つためには最善の作戦だった。ただ、今回は相手が上回った。
今大会は、リターンマッチ2試合がセットアップされ、メインイベントでは、飯村樹輝弥が見事に雪辱に成功した。前回、敗れている選手がリベンジする確率は30%から40%と言われ、不可能ではないが、決して簡単なことではないことは事実。飯村選手の努力が報われ本当に良かった。一方で、セミファイナルの村上雄大×仲里周磨の第2戦はドロー、俄然、第3戦が楽しみになった。
次回6月7日の『DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.33』は、日本ミニマム級チャンピオン松本流星の試合を中心に配信!お楽しみに!
U-NEXTでは、今回レポートした『DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.32』を2025年6月2日まで配信中!
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