「DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.34」対戦カード発表! 王者、李健太、藤田健児が揃い踏み!
7月5日開催のボクシング「第34回DYNAMIC GLOVE」、李健太ほか全試合の見どころをレポート
7月5日開催のボクシング「第34回DYNAMIC GLOVE」は、無敗・全勝を誇る、李健太、藤田健児、荒本一成が揃い踏み。世界を見据える彼らに求められるものは、勝利だけではなく、内容も問われる一戦!テストマッチとして、絶対に超えなければならないハードルを軽々と飛び越えることは出来たのか!
本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線での観戦レポートと対戦結果をお届け!
日本スーパーライト級王者の李健太は、WBC23位、OPBF1位、WBOアジアパシフィック1位。世界ランクはWBC25位、OPBF1位、WBOアジアパシフィック3位。アマチュア戦績112戦102勝10敗、高校6冠と62連勝の日本記録を誇る。プロ転向後は、長身サウスポーを活かした懐深いボクシングでこれまで無敗。シャープなジャブと長い左ストレートは、シンプルだが最大の武器。今年3月の2度目の防衛戦では、渡来美響とダウン応酬の大激闘の末に判定勝利。日本スーパーライト級の第一人者として実力と人気の高さを示した。
リマール・メツダは、2018年に荒川仁人と対戦し、引き分けたサウスポーのファイター。ガードを固め接近し、強振する左フックとKO負けは1度というタフネスが武器。しかし、ここ5試合は2勝3敗と負けが先行。
激戦が続いた李健太のノンタイトル戦。勝って当たり前、内容が問われる一戦だが、タフガイをどう攻略するのか注目!
1回、身長180㎝の李に対して、168㎝のメツダは、左右フックを振りながら飛び込んでくるが、李は左ボディ、右リードジャブで弾き返す。2回、李は長い左右ボディストレートで滅だを突き放す。
3回、李はコンビネーションが出始める。顔面からボディへ流れるようなパンチで、しっかりボディを叩くコンビネーションだが、メツダは“来い来い”のポーズで挑発する。手数や、ボディへのクリーンヒットでは、李が勝っているが、メツダの距離の時間も増えてきた。ラウンド終了間際のメツダのパンチは、ヒットしなかったものの危険なタイミングだった。
4回、李は基本に立ち返り、長い距離からのワンツーをボディにもパンチを散らしながらキープ。時折、力のこもった右ストレートから左フックを浴びせるが、メツダの固いガードを破ることは出来ず。
5回、メツダは乱打戦に持ち込むべく、強引に距離を詰めるが、李のボクシングは簡単に崩せない。李は、徹底したボディ攻撃でメツダのスタミナを削る。
6回、藤田はメツダをロープに詰めて連打を放つ。ややペースが落ちてきたメツダは手数が減り一発狙いに。そんな中、李の右アッパーからの左ストレートが、今日一番のクリーンヒット!
7回、李はワンツーからボディに返す攻撃を繰り返すが、メツダもその攻撃には慣れてきた様子。やや膠着したラウンド。8回、李はジャブで距離を作ると左アッパーでバランスを崩させると、連打を打ち込む。メツダも左フックを返すが、いかんせん単発。
9回、ポイントで劣勢なメツダは、これまで以上に強振するフックで逆転KOを狙う。対する李は、序盤こそ押される展開だったが、中盤以降、踏みとどまりボディ連打からの顔面ワンツーで盛り返す。だが、メツダの積極性が際立った。
最終10回、李は最後の力を振り絞り、メツダをロープ際でコンビネーションの雨を降らせる!しかし、メツダも右ストレートを返し、簡単には引き下がらない。一発の破壊力は衰えていないだけに油断は出来ない。李は、なんとかフィニッシュに持っていこうと、2度、3度とコンビネーションで攻め込むが、タフなメツダに決定打を打ち込むことが出来ず、試合は判定へと持ち込まれた。結果は大差が付いた3-0で、李が勝利した!
李健太選手、文句なしの判定勝利だが、今回求められていたのは圧倒的勝利。今回はノンタイトル戦で、比較的イージーな試合だと考えられていただけに印象が悪くなってしまった。これで戦績は、11戦10勝(2KO)1分に。
リマール・メツダ選手、体は小さいが無類のタフネスを披露し、全勝王者を困らせた。戦績は、27戦17勝(11KO)9敗1分。
WBOアジアパシフィックフェザー級王者の藤田健児は、WBO4位、WBC28位。格闘技一家に生まれ、幼い頃から様々な格闘技を経験。高校からボクシングに専念すると、アジア選手権、世界選手権など通算10冠獲得したアマチュアエリート。プロ転向後もサウスポーから繰り出す左カウンター、ポジションを変えての右アッパー、コンビネーションの当て勘の良さで8戦全勝。対戦相手のパンチを空回りさせ、打たせずに打つボクシングで戦意を喪失させる、まさに和製ロマチェンコ。
シム・ハノクは、WBOAPフェザー級3位、OPBF15位。アグレッシブで好戦的なスタイルが特徴的なサウスポーのファイター。デビューから4連勝していたが、2019年に溝越斗夢に判定負け。その後4連勝するも、モンゴル選手に7回TKO負け。しかし現在は4連勝3KOと結果を残し、タイトルマッチのチャンスを掴んだ。
藤田健児の3度目の防衛戦!これまでフィリピン強振ファイターとの7連戦を全勝、初のコリアンファイター相手でも変わらぬ強さを発揮することに期待!
試合は1回、サウスポー同士の対戦、右リードジャブで距離の探りあい。藤田は、シムの力強いパンチをブロッキングとステップワークで空転させると、ジャブとフックを織り交ぜた多彩な右をヒット!シャープなジャブがシムの顔面を弾く!
2回、シムは大振りのパンチで藤田に襲いかかるが、ここでも藤田のフットワークが冴える。藤田はシムの打ち終わりにボディを叩くと、顔面にワンツーを放ち試合をコントロール。まるで闘牛士のように華麗に舞う!
3回、シムは、なかなか有効打を奪えないが、だからといって手数は全く減らず、突進を続ける。しかし藤田は、下がりながらもワイルドにパンチを振るうシムの隙を伺い、左カウンター一閃!シムに尻もちをつかせ、先制のダウンを奪う!
4回、藤田は、シムの攻撃に対し、リング中央で足を止めて打ち合いに応じる。これまでの下がりながらのボクシングから戦法を変えてきた。逆に、シムの左ストレートに右フックを合わせて、シムを下がらせる展開を作る。しかし、藤田のディフェンスは鉄壁だ!
そして5回、逆転を狙うシムは、藤田の顔面目掛けて左右フックを振る。しかし藤田は、動じることなく、フックをかわすとそのムーブのまま左右ボディを突き刺す!シムは、パンチを出せば出すほど、腹を抉られる!そして、藤田の右ボディが刺さった瞬間、シムは我慢しきれずにリングに崩れ落ち、2度目のダウン!シムはなんとか立ち上がったが、藤田の容赦のないボディ攻撃の前に3度ダウンし、もう立ち上がることは出来なかった。藤田健児が、情熱のこもった熱いファイトで、3度目の防衛に成功した!
藤田健児選手、まさに攻守兼備の試合巧者ぶりを発揮し、かつ力強く打ち倒すパワフルな新たな一面も見せてくれた!新生、藤田健児の瞬間を目撃したに違いない!これで戦績は、9戦9勝(5KO)、全勝記録更新だ!
シム・ハノク選手、コリアンファイターらしい積極果敢な攻撃を見せたが、どんなに強いパンチだって、当たらなければ倒せない。戦績は14戦11勝(5KO)3敗。
荒本一成は、OPBFミドル級7位。アマ戦績92戦85勝7敗。国体や全日本選手権など数々の大会で優勝しアマ12冠を達成、2024パリオリンピックを目指すが、2023年全日本選手権で敗退。オリンピックのメダルより、プロのベルトを獲ることを目標に2024年7月プロ転向した。デビュー戦では、鮮やかな左フックでの豪快KO勝利で強烈なインパクトを残したが、眼窩底骨折で休養を余儀なくされた。上下を打ち分ける多彩なパンチと、決定力のある左フックが武器。
中田勝浩は、2020年全日本ミドル級新人王。東北大学相撲部出身という異色の経歴を持つファイター。デビューから7連勝を飾り日本ランク入りしていたが、現在は4連敗と勝ち星から遠ざかる。クールなポーカーフェイスながら、右ストレートのパワーとメンタルの強さが武器。
強いハートとフィジカルを誇る中田勝浩に対し、倒し切るボクシングを目指す荒本一成の強打が炸裂するか注目!
1回、荒本は、中田の高いガードの下、ボディを積極的に叩く。強烈な破壊力を持つ左ボディ、そして捻じりこむような右ボディで主導権を握る。2回、中田のジャブが出始める。荒本は、中田のジャブの帰り際に右ストレートを合わせるが、左ボディも忘れない。
3回、リング中央でジャブの差し合い。手数が増えた分、中田のガードが開く瞬間もあり、荒本は右クロスをヒット!さらに、左ボディで追い打ちをかけ、手応えのあったラウンドでは。4回、荒本は、なかなか顔面にクリーンヒットを当てさせてもらえず。また、再三にわたり鋭い左ボディを突き刺すが、中田は崩れる様子はない。一気に中田を攻め崩したい荒本だが、中田のタフネスに手を焼く。
5回、一段ギアを上げた荒本は、右フック、右アッパーを絡めたコンビネーションで中田を攻め込むが、中田も驚異の粘りを見せ、一歩も引かない。6回、さらに荒本のアクションが増える。しかし、中田もチャンスとばかりにリング中央での打ち合いに!クリーンヒットは、荒本の方が上か。
7回、なんと荒本がペースダウン!5回、6回の攻撃でややエネルギーを使ったのか、手数とパワーが衰え、中田のコンビネーションを棒立ちで浴びる。中田としては、荒本のスタミナが切れる終盤に勝負をかける作戦だったのかもしれない。
そして最終8回、ポイントでは明らかに劣勢な中田が、最終ラウンドで逆転KOなるか!中田は、荒本にロープを背をわせて連打!荒本は、ダメージというよりは、打ち疲れで手数、フットワークが減っているようにみえる。ラスト1分、荒本は最後のエネルギーを使い切るように、左フック、右フックをヒットさせ、踏みとどまった。試合は判定に持ち込まれ、大差がついた3-0で荒本が勝利した。
荒本一成選手、かなりいいパンチを打ち込んでいたが、KO勝利をすることが出来なかった。期待が大きい分、ハードルも高い。これかも、一瞬の爆発力に期待したい!戦績は、3戦3勝(1KO)に。
中田勝浩選手、絶対に倒されてなるものか、というメンタルの強さが光った試合。敗れてもなお、存在感を示した。戦績は、18戦9勝(5KO)8敗1分に。
チャン・ドンフンは、現WBO世界バンタム級王者の武居由樹が、東洋太平洋スーパーバンタム級王者だった2023年に、韓国でのエキシビジョンマッチの相手を務めたコリアン・ファイター。今年4月、三迫ジムに移籍した初陣で内構拳斗選手と対戦しドロー、全勝記録は途絶えたが、無敗をキープした。
落合壱星は、WBOアジアパシフィックバンタム級15位、日本バンタム級15位。長身で懐の深いサウスポーのテクニシャン。シャープな左ストレートのカウンターとアッパーが武器。2022年6月、池側純に8回TKOで敗れ、1年間リングを離れたが、再起後は3連続KO勝利でランキング入りを果たした。
技巧派サウスポーとファイターの対決!落合壱星のテクニックが、チャン・ドンフンの突進をどう捌くか注目!
1回、サウスポーの落合は、持ち前のスピードを活かした出入りのボクシングを展開する。チャンの踏み込みにサイドスキップでポジションを変えると右フックを合わせる。チャンはバランスを崩しキャンバスに手を着くが、これはスリップ。ただし、落合のスピードとタイミング、そして集中力は抜群だ。落合は、攻めあぐねるチャンに対し、左ボディストレート、右フック、右アッパーと多彩なパンチを打ち込み、下がりながらでも優勢に試合を進める。
2回、ここからチャンの逆襲が始まる。プレッシャーを強め強引に距離を詰めると、右ストレートからの連打を浴びせ、落合をコーナー、ロープに釘付ける。そして、頭から飛び込むような荒々しいファイトで、落合のペースを乱したラウンドだった。
3回、落合は、チャンのプレッシャーを跳ね返そうと左ストレートのカウンターを合わせるが、チャンの豊富な手数の前では、いかんせん単発に見えてしまう。チャンは、再び連打で落合をロープに押し込みパンチをまとめた。
4回、チャンは簡単に距離を詰めると、右ボディを織り交ぜたコンビネーションで落合のスタミナを奪いつつ、ガードの隙間を狙い硬いパンチを打ち込む。落合のアドバンテージだったスピードは封じられてしまった。
そして5回、チャンは落合のガードをかいくぐるように、外側から周りこむ左右ボディを連打する。ボディが効いたところに、右ストレートを顔面に返し連打を浴びせる。落合が、ガクッと腰を落とし防戦一方になったところで、レフェリーが試合を止めた。
チャン・ドンフン選手、初回にスピードの違いを見せられた時は、サウスポーのテクニシャンにコントロールされてしまうのかと想像したが、見事なリカバリー。パワーと手数で仕留め切った。これで戦績は、9戦8勝(4KO)1分。活況な日本バンタム級に宣戦布告だ!
落合壱星選手、荒々しいボクシングに巻き込まれ、自分のボクシングを展開することが出来なかった。これで戦績は、8戦6勝(5KO)2敗。
村田直輝は、右リードジャブからのワンツーが主体のサウスポー。泉山栄人は、フィジカルの強さを感じさせる好戦的なボクサーファイター。
ともに3戦目、19歳の村田と33歳の泉山の対戦は1回、サウスポーの村田がワンツーで攻撃すると、泉山はフック、アッパーを上下に散らし対抗する。特に泉山の右ボディの連打が有効だった。2回、村田は先手を取り積極的に右ストレートを打ち込むが、フィジカルの強さを感じさせる泉山を後退させられず。逆に泉山は、右ボディから顔面に左右フックを返す。3回、このラウンドも泉山がボディからの攻撃で有効打を集めるが、村田も押されながらも手数は止まらない。
そして最終4回、村田は頭を振りながら右リードジャブから左ストレートを打ち込む。ここまで劣勢に立たされてきたが、怯むことなくパンチを出し続ける。一方で泉山は、右アッパーで村田の顔面を跳ね上げると、ここでも左右ボディをしつこく打ち続ける。ダウンシーンこそ訪れなかったが、手数の多い打撃戦は判定に持ち込まれた。結果は、3-0、フルマークで泉山が勝利を手にした。
村田直輝選手、最後まで手数を出し続けるファイティングスピリッツを証明した。これで戦績は、3戦1勝2敗。
泉山栄人選手、徹底したボディ攻撃から、顔面にパンチを返す打ち分けの良さが際立った試合だった。これで戦績は、3戦2勝(1KO)1分、無敗をキープした。
次回8月2日の『DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.35』は、OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ「波田大和vs神足茂利」と中野幹士ノンタイトル戦を中心に配信!お楽しみに!
U-NEXTでは、今回レポートした『DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.34』を2025年8月4日まで配信中!
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