ノーマン・リーダス直撃インタビュー『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』
『ウォーキング・デッド』スピンオフ『ダリル・ディクソン』ノーマン・リーダスが来日。キャロルとの共演についても語る
世界的アーティスト、エイベル・“ザ・ウィークエンド”・テスファイと、ジョニー・デップの愛娘として知られるリリー=ローズ・デップ主演のドラマ『THE IDOL/ジ・アイドル』。トロイ・シヴァンや「BLACK PINK。のジェニーなど多彩なアーティストが集結し、ハリウッドの音楽業界の舞台裏をセンセーショナルに描いていることでも話題を集めています。そんな注目作で、海外作品の吹き替えに初挑戦した玉城ティナさんに、本作の見どころや魅力を語っていただきました。
━━まず、日本語吹替のオファーが来た時の感想を教えてください。
玉城:吹き替えをするということが初めてだったので、この作品で挑戦できたらすごく面白そうだなと思いました。作品自体に、もともと興味があったんです。だから、オファーをいただいた時は何か不思議なめぐりあわせを感じて、とても楽しみにしていました。
━━オファー前から、作品をご存知だったんですね。
玉城:SNSやネットのニュースで情報が上がっていましたから。
━━以前に、アニメ映画『竜とそばかすの姫』で声優の経験はされていますよね。
玉城:はい。でも、アニメのキャラクターに声を当てるのと、吹き替えとは違います。吹き替えはオリジナルが持つ作品の良さを壊さずに声を当てなくてはいけないので気を付けてやらなくてはと思いましたし、今回、吹替版を観てくださる方が、私が声を当てていることで作品に興味を持ってくださるといいなと思いました。
━━実際に収録してみて、現場の印象はいかがでしたか。普段の演技とは違いを感じましたか?
玉城:そうですね。ブースにひとりで入って、映像と台本を見ながら声を当てていくんです。普段はカメラが目の前にあってセリフを話していくので、それとはやり方がまったく違いました。本当にすべてが初めてのことばかりでした。
━━どんなことを心掛けながら、初めての吹き替えに臨みましたか?
玉城:吹き替えは元の作品のテイストを大切しないといけないので、まず、オリジナルのキャストの方たちのテイストというか、雰囲気を見ました。英語と日本語では言葉のニュアンスが違ったり、特に字数の制限があるなかで、ちょうど合うような言葉を言わなくてはならないこともあります。吹替版でも違和感がないように、観る人が楽しめるようにと気を付けました。
━━特に、難しさを感じたところは?
玉城:吹き替えをする際には、できるだけ彼女と同じような息遣いや表情でしゃべるようにしました。難しいと感じたのは、言葉の掛けあいが速いこと。特に、登場人物が4、5人いるなかで私が担当しているジョスリンの声がかき消されないようにするのは、なかなか難しかったですね。
━━本作の主人公・ジョスリンは、母親の死やスキャンダルに見舞われ、またシンガーとしての自信も失いかけている女性ですが、突然現れたクラブオーナーのテドロスとの出会いで大きく変化していきます。そんな彼女に魅力を感じたり、共感したところはありますか?
玉城:この作品はスターの光と影を題材にしていますが、そういった題材は誰もが興味を持ちますよね。私自身は、ジョスリンが周りの人を巻き込みながらも成長していく姿に惹かれました。
━━ジョスリンには繊細で壊れやすそうな面がありつつ、ポップスターとしてトップを目指そうとする野心もあり、また周囲の目やテドロスに翻弄されたり…と、複雑な面を持っています。
玉城:複雑な方が物語としてはやっぱり魅力を感じますよね。ただ、彼女の本当の悲しみや苦しみに寄り添える人はいなくて。ドラマではそこを誇張していますから、よりエグさが増していると感じました。
━━主演のリリー=ローズ・デップにどんな魅力を感じましたか?
玉城:私たちが見たいものを見せてくれる彼女のパワーと、美しさ、もろさ、誠実さなど、選ばれた者だけが持つ苦悩を表現できる演技力や存在感に、魅力を感じました。リリーの頬に涙が伝うたびに、胸が締めつけられます。
━━14歳でデビューされてからさまざまな役柄を演じてこられましたが、今後、俳優として挑んでみたい役柄は?
玉城:私ももう20代後半に差し掛かる年齢になりました(笑)。これまでのティーンのイメージではなくて、働く女性など年齢に合った役どころを演じていけたらいいかなと思っています。
━━俳優だけでなく、近年はWOWOWのアクターズショートフィルムで監督も経験されました。20代のうちにチャレンジしてみたいことがあれば教えてください。
玉城:機会があったら、今度は長編映画の監督をやってみたいと思っています。実は何となく考えていることもあるんです。私は沖縄県出身で父親がアメリカ人なので、その辺のことを題材にできればと思っています。
━━どんな20代後半にしたいと思っていますか?
玉城:仕事は出会いでもあるので、いい出会いがあればと思っています。同時にプライベートも大事にしながら、自分が見たことのない世界を見ることができればと思っています。
━━オフの過ごし方は?
玉城:私は映画を観たり、本を読んだり、家の中で過ごすことが好きで。料理をするのも好きですね。最近、ル・クルーゼのお鍋で煮込み料理を作ってみたら、簡単においしくできて。ちょっとハマりそうです。
━━今回、海外ドラマの吹き替えを担当されましたが、玉城さん自身は普段、海外ドラマはご覧になりますか?
玉城:『セックス・アンド・ザ・シティ』のような有名な作品は観ていますが、海外ドラマではどちらかというと、話題に上がってくる韓国ドラマの方を観ちゃいます。むしろ、海外作品なら映画を観ます。最近では『CLOSE/クロース』(ルーカス・ドン監督、公開中)という作品を観ました。是枝裕和監督の『怪物』と同じく子供たちが主人公で、似たような題材なんですが、まったく異なる描き方でとても面白いものでした。
━━ありがとうございます。最後に、『THE IDOL/ジ・アイドル』に触れる方々にメッセージをお願いします。
玉城:U-NEXTをご覧になっている方は、新しい作品に興味を持っている方も多いと思うんです。この作品については、過激な描写などで賛否両論がありますが、私はリリー=ローズ・デップのように実際にハリウッドの真ん中にいる人が演じてみせることに非常に意味があると感じています。最初は好奇心でもいいので観てみてください。観れば、きっと物語の本質に気づくことができるんじゃないかなと思います。
(プロフィール)
玉城ティナ
https://video.unext.jp/browse/credit/PER0195657/PRN0204331/video
たましろ・てぃな/1997年生まれ、沖縄県出身。2012年にモデルとして芸能界入りし、14年に女優デビュー。『Diner ダイナー』『惡の華』『窓辺にて』などに出演。21年のアクターズ・ショート・フィルム第2弾『物語』では監督・脚本を手掛けた。2023年は、主演映画『恋のいばら』、Huluオリジナルドラマ『君と世界が終わる日に』シーズン4のヒロインを務め、同作シーズン5では主演を演じることが発表されている。主演映画『#ミトヤマネ』が8月25日(金)公開。
『THE IDOL/ジ・アイドル』
新進気鋭のポップスター、ジョスリン(リリー=ローズ・デップ)は母親の死がきっかけでツアーをドタキャンするなど情緒不安定気味ながら、新たなアルバム作りを機に奮起しようとしていた。そんななか、カリスマ的な魅力を持つクラブオーナーのテドロス(エイベル・“ザ・ウィークエンド”・テスファイ)と出会ったことから彼に翻弄されながら、名声の光と闇に直面していく。日本語吹替版では、リリー=ローズ・デップの声を玉城ティナ、エイベル・“ザ・ウィークエンド”・テスファイの声を『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』や『THE FIRST SLAM DUNK』など話題作への出演が続く人気声優の三宅健太。そのほか、戸松遥、落合福嗣、斉藤貴美子、村中知、きそひろこ、バトリ勝悟ら豪華声優陣が出演している。
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