朝倉海を迎え撃つUFCフライ級王者パントージャ「世界に、“誰がフライ級で最強か”を知らしめたい」──12月8日『UFC 310:パントージャ vs. 朝倉海』フライ級タイトルマッチ
12月8日(日)に開催される『UFC 310:パントージャ vs. 朝倉海』。パントージャが、試合直前の心境を語ってくれた。
プロ戦績15勝無敗のMMAファイター、平良達郎選手。前戦でKO勝利を収めUFCで5連勝を記録し、ランカーとの対戦を待ち望んでいた平良選手に、突如舞い込んできたのが、5位ランカーとのメインイベントという大きなチャンスでした。大一番を迎える前の平良選手が、ファイトウィークを迎えた心境や試合に臨むモチベーションについて語ってくれました。
──試合まであと2日となりました。現在の心境は?
平良:「もうやるだけ」という感じです。体重(調整)も順調で、わりとリラックスしているなって感じですね。試合に集中しています。
──今回、最終調整をアメリカで行ったそうですね。どのような意図で?
平良:初めての経験なんですけど、よりアメリカの環境に慣れてここで最後追い込むことによって試合でもっといいパフォーマンスできるかなと思って、3週間前に(デンバーに)入って、キャンプを積んでからここ(ラスベガス)に来ました。
──作戦などは立てたうえで、あくまでも最後に調整するつもりで、ということでしょうか。あるいはアメリカにあるジムで最後に何か新しく吸収していこうと思っていましたか?
平良:もちろん松根(良太/THE BLACK BELT JAPAN主宰)さんと沖縄で作戦を立ててスパーリングに落とし込んでいくということはして、行きました。そこから、アメリカに来てからまた違った視点でのアドバイスももらえたりして、総合的にファイトウィークに突入した感じです。試合前にアメリカに練習に行くこと自体は初めてでしたけど環境が切り替わることで濃い2週間を過ごせたと思いますし、すごく発想が広がった感じがします。
──出稽古先にはペレス選手を知る、もしくは対戦経験のある選手だったり、具体的に対策になるような収穫はありましたか?
平良:そういう選手はいなかったのですが、コーチや練習仲間がアドバイスをくれたりして。「ありがとう。試合に落とし込むね!」と言ってきました。いろいろと助言をいただいて、動きのアドバイスだったり、コーチがちょっとペレスの動画を見てくれて「こういう動きをしたらいいよ」とか、結構(アドバイスを)もらいました。
──あらためて、対戦相手であるアレックス・ペレス選手の印象、そしてペレス選手との対戦についてを試合直前の今どのように思っているのか、教えてください。
平良:総合的に強いと思ってるんですけど、ペレスは自分のペースになったらというか、気持ちよく前に出させてしまうとだんだん乗ってくるので、そこでペース争いの部分で最初1、2ラウンド勝(まさ)っていけたらなって思ってます。いい時はコンビネーションを繋げて打ってくるので、その前に打つことだったり、その後にしっかり返すことだったりをして相手が「なんかリズムが掴めないな」となるように、常に相手にストレスを与えていきたいと思っています。
──ペレス選手の負けるパターンとしては、元王者のフィゲイレード戦や現王者のパントーハ戦など、変則的なチョークでフィニッシュされています。そういう戦績はグラウンドを得意とする平良選手にとっては良い情報となっているでしょうか。
平良:嵌まれば、そういう1ラウンドでの勝ち方も想像してはいますが……ただ嵌らない、ああいう勝ち方はしない可能性が大きいので、その後のことを考えてトレーニングしていますし、試合のイメージも5分5ラウンドのなかで後半に仕留めるプランもありますね。5ラウンドマッチは初めてですし、消耗戦もしてみたいです。……ただ、それでも僕は1ラウンドから倒す気で行きます!
──今、5ラウンドあることに言及されましたが、平良選手はこれまで5ラウンドマッチの経験はあっても、4、5ラウンドまで行くことがありません。4ラウンド以降に突入するのは未知の領域です。もちろんその状況の想定はしているとして、どのような意識でいますか?
平良:チャレンジの気持ちもありますし、実際どういう疲れ方をするのかな?というようなことは、試合じゃないと分からないので、「練習どおり!」と思えるようにしたいですね。自分のベースは崩さずに。ただやっぱり「今、行ける!」ってところで仕留められるような、その感覚は大事にしていきたいです。
──ペレス選手のバックボーンはフォークスタイルレスリングですが、コントロールに主きを置くスタイルのレスリングを得意とする面についてはどのように考えていますか?
平良:正直に言ってレスリング力は僕よりあると思います。簡単にカレッジレスラーを超えるようなレスリング力はつかないと思っていますし。でもMMAなので、うまく順能させて、常にやりづらいって思わせようかなって思ってます。
──それを踏まえて平良選手のライバルであるムハンマド・モカエフ選手とペレス選手のはどのように見ましたか?
平良:あの試合、何度も見ましたけど「対処がうまいな」という印象です。ペレス選手は今年2試合して、どんどん調子も上がってきているような感じなので、そこを超える勝ち方をイメージしてますね。
──前戦ではスタンドの打撃でフィニッシュしました。自信になっていますか?
平良:とはいえ半年前のことなのでそれが過信にならないようにとは意識していますが、しっかり当てるイメージもあって。すごくいいイメージは持っています。いかに自分のスタンドで強い攻撃を当てるかっていうのは今年に入ってすごくトレーニングを積んできたので、より自信はあります。
──MMAのなかでスタンドの技術を向上することは、それで決めていく武器にすること、あるいは本来得意とするグラウンドの状態をより良くするためなのか、平良選手としてはよりどちらを重視している、というのはありますか?
平良:寝技が好きなので寝技ベースなのは変わらないかなと思っているんですけど、寝ても立った時に殺しの一発どっちもあるぞみたいなファイターにはなりたいですね。……まあ、なってます、今!(笑)。
──それでは試合に向けて改めて、今回メインイベントに抜擢されたことについて、対戦相手の変更が2度あったことも踏まえて気持ちをお聞かせください。
平良:今回、本当に、ティム・エリオットから始まって、ジョシュア・ヴァンに代わり、アレックス・ペレスになったのですが、やっぱり最終的に今、5位の選手との対戦で、しかもメインイベントになって、ポスターにバーンって自分が載っている姿を見ると……「持ってんな、俺」って(笑)、「ラッキーじゃん」(笑)と思っています。今回は(対戦相手の変更が続いたなか最終的に訪れたのは)チャンスなので、アレックス・ペレスを超えるためのモチベーションは高いまま来ましたけど、対戦相手がポンポン変わることについては、もう「慣れた」じゃないですけど(苦笑)動揺はしていません。でも改めての気持ちのリセットとかは必要ですよね。でも、UFCもすぐ対戦相手を出してくれたので、モチベーションが高いままずっとここまで来れました。
──メインイベンターとしての、意気込みは?
平良:気負わず、本当に自分が楽しんで試合していれば、おのずとフィニッシュできるのかなって思っているので、メインイベンターとしてイベントを楽しみつつ、ファイトウィークも計量も全部楽しんでいきたいなと思います。試合する時間帯も(これまでは時間の早いプレリミナリー・カードで試合をしてきたので)、違いますし、計量もちょっと優先されて(笑)「先行っちゃうね!」って。いつも並んでるんで。明日以降がどんな感じになるかのかなって、楽しみです。
──ご自身の無敗記録はもちろん、UFC連勝記録を更新するなどレコードも意識するところなのでしょうか?
平良:いやあ、もう考えられないんですよね、余裕がないのか……。メインイベントになったことも含めていろんなことが重なっているのですけど、僕は本当に「倒して、実力を証明したい」という気持ちが一番強くて、ちょっとそこはかすんでる感じかもしれないです。(記録は)付属品みたいなもの。勝てばついてくるものなので。
──応援してくれている人たちには、どんな試合を見せたいと思いますか?
平良:ペレスと僕の1対1の真剣勝負を、見守っていてほしいです。
──では、見守ってくれているファンの皆さんにメッセージを!
平良:ぜひ応援よろしくお願いします、U-NEXTで見てください。
ライブ配信:2024年6月16日(日)8:00~ライブ終了まで
見逃し配信:配信準備完了次第~2024年7月16日(火)23:59まで
12月8日(日)に開催される『UFC 310:パントージャ vs. 朝倉海』。パントージャが、試合直前の心境を語ってくれた。
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今年1月のUFC297でマイラ・ブエノ・シウバを相手にユナニマス判定勝利でUFC女子バンタム級タイトルを獲得したラケル・ペニントン選手がベルトの初防衛、そしてUFC7連勝をかけ、元同階級王者にして、かつてリアリティ番組「The Ultimate Fighter 18」(TUF)でともにUFCをめざしたジュリアナ・ペーニャと対戦します。そんな大一番を前にしたラケル選手が、現在の心境はもちろん、女子格闘技界の発展についてまで、その思いを語ってくれました。