報われる保証のない戦いの中で「心の支え」になるものとは… 張本智和、アジア覇者が強行日程でTリーグに出場し続ける理由
アジア卓球選手権で、日本勢としては50年ぶりとなる優勝を果たした日本卓球界のエース、張本智和。悲願の五輪金メダルに向け、国際試合を転戦して腕を磨き続ける一方で、Tリーグへの出場も可能な限り続けている。その理由とは
2020年以降、膝の負傷により長期離脱していたUFC女子ストロー級の魅津希選手が日本時間9月24日(日)午前5時開始の『UFCファイトナイト・ラスベガス79』で、3年ぶりにオクタゴンに帰還!天才少女と呼ばれ、10代でプロMMAデビュー。20歳になる年にDEEP JEWELSの王座を戴冠し、日本最強女子の名を欲しいままにしてきた魅津希選手。2019年に緊急代打参戦でUFCデビューを果たすも、怪我に苦しみUFC戦績は現在1勝1敗。コロナ禍を経て、日本国内ではRIZINで活躍する井上直樹選手の心強い“通訳”としても注目を集めてきました。そんな魅津希選手が、復帰戦に向けての意気込みと、現在の思いを聞かせてくれました。
——久しぶりのファイトウィークはいかがですか?コンディションもばっちりでしょうか。
魅津希:今回3年ぶりの試合なんですけど、コスチュームを合わせたり、グローブのサイズ感を確かめたりしていても何もかも久々で「こんなグローブだったっけ?」って感覚になったり、コスチュームのスポンサーが変わってからも初めての試合ということで全然違うので、「3年ぶりなんだな」と実感しました。UFCパフォーマンス・インスティテュート(PI)も、食事のオーダーひとつとっても仕組みが変わっていたり、(建物の)中の様子もアップデートされて広くなっていたりと全然違って。最初はわからなくてあたふたしましたが、新鮮味があって楽しいというか。ファイトウィーク前の1週間も問題なく過ごしています。(渡航にあたっては)環境に馴染めるかちょっと不安だったのですが、今は大丈夫です。
——渡米するのも久しぶりですよね?
魅津希:はい。(ビザが切れて帰国していたので)約1年ぶりです。ビザは試合が決まらないとアップデートできなかったので、それまではコンディションを整えつつ、日本でやれることはいっぱいあったので、自分のできることをやっていこうと取り組んでいました。今回試合が決まってやっとビザが下りた感じです。
——今回、日本で追い込みをしてよかった点は?
魅津希:いろんな人にアドバイスをもらいながら、追い込みも見てもらったりサポートしてもらえたので、すごくいい環境で試合を迎えることができていると思います。
——課題として取り組んできたことは?
魅津希:全体的にMMAを確立して、自分のゲームプランを徹底して遂行できるように、全局面で、打撃もグラップリングもまんべんなく取り組んできました。ここ1年は、「リバーサルジム新宿 Me,We」を主に練習してきたのですが、私より体が大きかったり、グラップリングの上手い選手が揃っていたので、自分ももっとうまくなりたいと思ったことと、今までよりも組みに特化してやりたいという考えがあったので、そういう部分で技術が少しは上がったんじゃないかなと思っているのですけど。なので、打撃より組みを練習してきたとは言えます。(村田)夏南子ちゃん(※)とは階級も一緒なので練習させてもらっていて、夏南子ちゃんの紹介で、CUTEで上田将勝さんのもと、組みの部分でいい練習ができました。ほかにも藤野恵実選手のいるトライフォース赤坂などでも練習してきています。
(※)UFCストロー級。10月8日(日)の『UFCファイトナイト』にてバネッサ・デモポロスと対戦予定。
——練習仲間の中には10月にRIZIN初参戦となる万智選手もいたと思います。10代からMMAの世界で活躍し「天才少女」の名を欲しいままにしてきた魅津希選手は現在29歳。20歳前後で連勝し注目されている女子ファイターと触れてみて、どのような感想ですか?
魅津希:自分が20歳の頃を振り返って、「こんな感じで天真爛漫だったのかな?」という感じで(笑)、ふと思い返したりしてみるんですけど。私がDEEP JEWELSでチャンピオンになったのが20歳前後で、当時その年齢でチャンピオンベルトを持つことができていたので、その意味で万智選手本人から「自分も獲りたいです」っていう思いを聞いているし、「先生!」と、いつも言ってくれているのですけど、自分としては、そうやって尊敬してもらえるような年齢になったんだなと(笑)改めて思ったりしますね。「天才少女」なんて言われていた時代を思い出すと懐かしいなって(笑)。
——それでは今回の試合のお話を伺います。まず対戦相手のハンナ・ゴールディ選手について、印象はいかがですか。
魅津希:ストロー級とフライ級を行き来しているような選手で、割と体もゴツく、パワー系なのかなとは思います。ただ見た目ほどは……自分のパワーを使い切れていないのでしょうか、体はがっちりしているんですけど、打撃の圧などは、動画で見る感じではそこまで伝わらなかったです。どういう感じなのかは試合になってみないとわからないですけど。技術的にはやはりトップランカーと比べると劣る部分もあるかなという印象です。もちろん技術もあるところはしっかりあるんですけど。私にとってはここをクリアしないと上に登っていけないので、しっかり勝つこと、相手はグラップリングを自分の得意なところだと思っていると思うので、そこを潰せたらいいなという感じです。侮っていたら勝てないとは思っています。
——対策は、どの程度したのですか?
魅津希:一応、動画は見て、相手のクセだったり、きっと私に対して、相手がしてくるであろう対策をある程度想定して、そこの部分でもやられても対処できるように、組みの部分だったり、相手はこうしてくるだろう、というシチュエーションで逃げられるようなかたちをしっかり練習はしてきました。
——3年ぶりのオクタゴンで、どのような試合をしたいですか?
魅津希:いつも思っているのは、やっぱり自分はお客さんを魅了したいというのが一番強いですけど、今回3年ぶりなのもあって割と緊張と、恐怖じゃないですけど、ちょっと怖さもあるというか。3年ぶりでどれだけできるだろうという緊張もあるので、お客さんどうこうじゃなく、自分の今の精一杯のパフォーマンスをしっかり出せれたらいいなと。本当に、ファンのため、お客さんのためにもがんばっているのですけど、結局最後は自分がやりきらなきゃいけないし、絶対に負けられないので、勝つことに徹底していきたいという思いが強いです。
——UFCで魅津希選手が3年前に対戦したアマンダ・レモス選手はその後も連勝を重ね、 ジャン・ウェイリー選手の持つストロー級ベルトにも挑戦しました(ユナニマス判定で敗北)。また、かつてINVICTA FCで魅津希選手が対戦したアレクサ・グラッソ選手はフライ級に階級を上げ、UFCチャンピオンに登り詰めました。
魅津希:そのことが刺激になるのはもちろんですが、どうしても、あそこで自分が勝っていればもっと評価が上がっていたのかなと思ったりするので、「やっぱりあの時、勝ちたかったな……」と思い出すんですけど。次に当たるときはアマンダ・レモス選手には勝ちたい!と思っていますし、アレクサ・グラッソ選手は階級を落とすことはないでしょうから当たることはないと思いますが、またファイトできることがあるならやりたい、という思いはあります。ただ、今の自分は(ランキングの)下の方にいる状況だとは思うので、そんな自分にやれることは、とにかく勝ち星を積み上げることです。それから先に、自分が負けてしまった相手にも次は勝ちたいと思います。
——日本で応援しているファンの皆さんにメッセージをお願いします!
魅津希:私のことを昔から知っている人も、全然知らない人も含めて、アメリカで、UFCで活躍している人がいるのだと、日本の皆さんに知って欲しいなって思っています。今回どれくらい自分が良いフォーマンスをできるかわからないのですが、全力で挑ませてもらうので、朝早いと思いますが、見ていただけたら嬉しいです!がんばります。
——ところで。RIZINで活躍中の弟・井上直樹選手も10月1日に試合が控えていますね。
魅津希:今、私は自分の試合しかアタマにないんですけど(笑)、弟も日本で頑張ってくれていると思うので、私が勝って、弟の試合にいい形でつなげられたらいいなと思っています!
9月24日(日)午前5時よりプレリミナリー・カード開始
詳細な対戦カードはUFC.COMにてご確認ください。
魅津希(みずき):UFC公式サイト内プロフィール
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