アンジェ・ポステコグルー監督が語る「厳しいシーズン」の真実 ― 怪我の連続、批判との向き合い方、そして未来への展望
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アンジェ・ポステコグルー監督が語る「厳しいシーズン」の真実 ― 怪我の連続、批判との向き合い方、そして未来への展望

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「厳しいシーズン」――トッテナム・ホットスパーを率いるアンジェ・ポステコグルー監督は、今シーズンをそう表現した。期待を背負って指揮官に就任したオーストラリア人監督だが、度重なる選手の負傷に悩まされ、特にプレミアリーグでは本来の力を発揮できていない状況が続いている。
「今シーズンが厳しいのは間違いないよ。様々な側面から試されている」とポステコグルー監督は語った。特に深刻なのが選手層のフィットネス問題だ。「スクワッドのけがの予防や、選手たちを継続的に試合で起用する能力という面で本当に試されている。それが連鎖的に影響して、特にリーグでの結果は本来あるべき水準に全く達していない」と監督は現状を率直に認めた。


【チームの状況と未来への視点】


シーズン当初に抱いた野心や目標から大きく外れた状況に陥っているが、それでも監督は前向きな視点を忘れない。「その中でも、我々が懸命に勝ち取ってきた機会はまだある。カラバオカップでは準決勝まで進出できたし、ヨーロッパでもまだチャンスがある」と話し、残された可能性にも目を向けている。
自身への批判について問われると、ポステコグルーは興味深い視点を示した。「批判は仕事の一部だ。誰もが自分自身を分析する。私はこの仕事を非常に長い間やってきて、2つとして同じ試合は存在しないことを理解している」と前置きした上で、「リーダーとして問うべき質問はまず自分自身に向けられるべきだ。自分はすべての力を出し切っているか、自分の決断は正しいのか」と自己分析の重要性を強調した。
批判が公平かどうかについては、「それがフェアかアンフェアかは、君がどんなプリズム(視点)を通して見るかによる」とした上で、「日々の仕事には影響しない」と冷静な姿勢を示した。ただ「クラブや関係者の全般的→全体的な雰囲気には明らかに影響する」とも付け加えた。


【デヤン・クルゼフスキとルーカス・ベリヴァル】


チームの明るい話題として、スウェーデン代表のデヤン・クルゼフスキとルーカス・ベリヴァルの活躍がある。特に若手のベリヴァルについては「彼は本当によく成長した。強くなり、プレミアリーグやヨーロッパでの試合でインパクトを与えている」と評価した。
怪我の状況が改善してきた今も、ベリヴァルは依然としてチーム選考→オプションの最前線にいる。これは単なる怪我人の穴埋めではなく、彼自身のパフォーマンスが評価されているということだ。「おそらく怪我の状況が彼の成長を早めたかもしれない。別の年なら半分の試合しか出られず、今見ているような成長は見られなかっただろう」と監督は分析した。
クルゼフスキについては、スウェーデン代表のキャプテンを務めるようになってから大きく成長したという。「彼は本当に成長した。選手としても成長したが、リーダーとしても成長を見せている。ナショナルチームでキャプテンシーを得た時、彼は一晩で変わったようにも思える。責任を負うことを厭わないという姿勢を見せ始めた」と語った。
ポステコグルー監督は「彼はクラブでも今や確実にリーダーの一人だ」と評価し、「勝利への執着心を持ち、非常に競争心が強い」とクルゼフスキの姿勢を称えた。スウェーデン代表の中心選手たちがトッテナムでも重要な役割を果たしている状況は、チームの明るい材料の一つと言えるだろう。

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