妻夫木聡“栗須”の涙に胸が熱くなる…レースをドラマチックに描いた『ザ・ロイヤルファミリー』第2話
妻夫木聡主演、夢を追い続けた熱き人間と競走馬の20年にわたる壮大なストーリー『ザ・ロイヤルファミリー』第2話をレビュー

「競馬」の世界を舞台にした日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』。競走馬に詳しくないとこのドラマを楽しめないのか、競馬に愛情がないと作品を追い続けられないのか。そんな不安はこの第1話で払拭された。
『ザ・ロイヤルファミリー』は人間と競走馬の20年を描いた壮大な物語で、感情を揺さぶる名優の演技と、心を打つ展開、そして“日曜劇場らしさ”を堪能できる作品である。ここでは、視聴者の期待に応えた初回を振り返る。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
2011年、大手税理士事務所で働く栗須栄治(妻夫木聡)は、挫折を味わい身の入らない1年を過ごしていた。
そんなとき、大手人材派遣会社・ロイヤルヒューマン社を担当することに。依頼主は、人事統括部長の山王優太郎(小泉孝太郎)。ミッションは、彼の父・耕造(佐藤浩市)が推し進める赤字続きの「競馬事業部」の実態調査だ。優太郎は同部の撤廃をもくろんでいるらしい。
栗須は早速、北海道にいる耕造のもとへ向かい接触。人間味あふれる耕造は、強引で豪快だが、馬に愛情を持った温かさを感じる人だった。調査を進める中、元恋人の野崎加奈子(松本若菜)とも思わぬ再会を果たした。
本作はキャストがとにかく豪華。上述したほかにも、安藤政信、高杉真宙、津田健次郎、吉沢悠、尾美としのり、関水渚、黒木瞳、沢村一樹……と挙げればきりがない。なかでも、まだどんな役か明かされていない目黒蓮の存在が気になる。彼は今回「競馬」という専門的な知識がいるテーマ上、覚えておきたい用語を解説するナレーションを担当していた。彼の深みとやすらぎを感じさせる声はすっと耳に入るし、何より安心感がある。ぼんやりしていた専門用語も、輪郭がくっきり浮かんだ感覚があった。何か役に入って語っていたのは確かだが、目黒はどんな人物を演じるのだろうか?
一度は競馬事業部の損失を指摘した栗須だったが、撤廃となれば馬たちが路頭に迷い、最悪処分されることを知る。すでに馬への愛が芽生えていた栗須は、再び北海道へ。そこで、耕造が育成牧場の牧場長・林田純次(尾美としのり)から馬を買った経緯を聞いた。
9年前に亡くなった林田の息子が名付けた馬がイザーニャ、その最後の息子がファイトだと知った耕造は「あんたの息子さんが手がけた仕事は俺が残す」と言い、決して名馬とはいえない馬を即決でしかも高額で購入してくれたという。
その後、栗須は競馬事業部の記録をすべて確認し、別の社員が横領していたことを突き止める。栗須のおかげで同部は撤廃にならず、馬たちも無事だったが、彼自身は税理士事務所を辞めた。
後日、栗須は耕造に連れられ競馬場へ。ロイヤルファイトは惜しくも2位だったものの、林田から電話があり、涙ながらに感謝を告げられる。
思うところがあった栗須は、隣にいた耕造に「1年前に父が亡くなったんです」と語り始めた。栗須は、同じく税理士だった父のこと、数年前に一緒に働かないかと誘われたが、自分が手に入れた立場や得ていた評価が捨てられなかったこと、この1年間“あのとき帰ってあげられたら”と、ずっと後悔していたことを明かす。
さらに、涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら「今日気づきました。父のおかげで私はいまここにいるんだと。初めて父の言う人の役に立てました。人から感謝される仕事ができました」と泣きじゃくる。耕造は困りながらも「俺は親父が死んで立ち直れないような人間嫌いじゃないよ」とつぶやき「俺んとこに来るかい?行くところないんだろ」と誘った。
これまで、作品を通して何度も「妻夫木聡の涙」を見てきたが、彼が感情を表に出し気持ちを吐露するたび、いつも「もらい泣き」してしまうことに気づく。その理由は単純で、知らぬ間に妻夫木聡が演じる役に感情移入しているからだ。本作もスタートしたばかりなのに、あっという間に惹きつけられた。観る人を演技で世界観に引き込み、たっぷりと魅力を味あわせてくれる……こんなにも主人公が似合う俳優がいるだろうか。
ゲートが開いたばかりの『ザ・ロイヤルファミリー』。これからどんな物語が待っているのか。ゴールまで一緒に並走して、この目で確かめたい。
第1話はこちらから
第2話予告編はこちらから
公式サイトはこちらから
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