シリーズ累計で30冠受賞するなど、異例の大ヒットを記録した韓国ドラマ『ペントハウス』。超高級タワーマンションを舞台に裕福な家族とその子どもたちを描くドロドロサスペンスは、本国のみならず日本でも中毒者が続出。2020-2021年の作品ながら、今なお「ハマると抜け出せない!」と注目を集めている。『ペントハウス』はなぜそれほどまでに人を引きつけるのか。
韓国ドラマとしては珍しく3シーズンも続いた『ペントハウス』。その総エピソード数は日本上陸版でなんと96本!長すぎて敬遠する人もいるかもしれないが、ご安心を。本作は同時進行でいろいろな問題が描かれるので、1つが解決しても「あの人の正体は?」「あの人を殺した犯人は?」と疑問はまだまだ残されたまま。真実を知りたくてついつい続きを見てしまい、気づいた時には「1シーズンを一気見していた!」なんて話は日常茶飯事だ。
ドロドロサスペンスの側面ばかりがフィーチャーされがちな『ペントハウス』だが、巻き起こる問題は不倫だけでない。暴行、殺人、拉致といった犯罪や、実際に韓国で起きた出来事をモデルにした事件も描かれ、とにかくハード。
ペントハウスで権力争いを繰り広げる大人たちと、彼らに翻弄される子どもたちの二世代が描かれるのも魅力のひとつで、子どもたちのパートでは、不正入試や校内暴力、三角関係などのロマンスなど、学園ドラマ的な要素がふんだんに盛り込まれている。
終始張りつめているかというとコメディパートもあり、息抜きにできてスルスルと見られてしまうのだ。
余談だが、本作では頻繁に家族写真が登場する。しかし、幸せそうな写真が登場した後、その家族に不幸な展開が起きがち…。そんな“『ペントハウス』あるある”な描写を探してみるのも面白い。
ヘラパレスに住む人々を中心に描かれる本作は、メインキャラクターの多さも特徴のひとつ。あえて主人公を挙げるなら、序盤はオ・ユニ(ユジン)、後半になるにつれてシム・スリョン(イ・ジア)だろうか。
しかし、本作を語るうえでチュ・ダンテ(オム・ギジュン)&チョン・ソジン(キム・ソヨン)は欠かせない。ユニとスリョンが正義の主人公なら、ダンテとソジンはまさに悪の主人公といえるだろう。
ユニの元カレでソジンの夫であるハ・ユンチョル(チェ・イェビン)の動きも見逃せない。一度はユニを裏切るが、再会してからは陰ながら見守っているようで…ユニとソジンの間で揺れ動く姿に注目だ。
ダンテとソジンに取り入るカン・マリ(シン・ウンギョン)とイ・ギュジン(ポン・テギュ)&コ・サンア(ユン・ジュヒ)夫妻の3人組も重要な存在。真意のわからない騙し合いの応酬の中で、くすりと笑えるコメディパートを担当してくれている。
特にマリは、実は苦労人だったことが中盤でわかり、なかなか憎み切れない役どころ。極悪人にしか見えないダンテ&ソジンにも意外な過去があり…知る前と後では見る目が変わるはず!
欲望渦巻く攻防を繰り広げる親たちはもちろん、子どもたちも個性的なキャラクターが勢揃い。後ろ盾がないながらも確かな実力と人柄を武器に逞しく生きるユニの娘ロナ(キム・ヒョンス)。そんな彼女に惹かれていくダンテの息子ソクフン(キム・ヨンデ)とのロマンスに癒される。
ロナのライバルとなる、ダンテの娘でソクフンと双子のソッキョン(ハン・ジヒョン)とソジンの娘ウンビョル(チェ・イェビン)はかなりの曲者。一方で、初めはロナを目の敵にするも、ある出来事をきっかけに関係性が変わるマリの娘ジェニ(チン・ジヒ)の存在も。
迫真の演技が話題になり、SNSではモノマネ動画が続出!日常のふとした瞬間に真似しちゃうくらいハマっちゃう可能性大な『ペントハウス』。まずはシーズン1の第1話だけでもオススメしたい。冒頭シーンからグッと心を鷲掴みにされるはず!
※以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
ソウルの高級住宅街にそびえ立つ100階建てのタワーマンション「ヘラパレス」。その一周年記念パーティで、少女が転落死する。ヘラパレスを牛耳るヘラクラブのメンバーは、ヘラパレスの価値が下がるのを恐れ、彼女の死を隠ぺいする。
事件が起きる少し前、一般家庭で育ったロナは、ノーミスにも関わらずチョンア芸術高校の試験に落ちてしまう。不正を疑うも取り合ってもらえず、辞退者が出れば入学できる補欠合格者となった。そんなとき、合格者の一人が亡くなったという連絡が入るのだった。
無事に入学を果たしたロナ。しかし、名門学校で待っていたのはヘラクラブの子どもたちによる陰湿ないじめだった。さらに、教師のソジンとロナの母ユニの間には、過去に壮絶な因縁があり…。
スリョンが殺されてから2年。ソジンは不倫相手のダンテと晴れて婚約し、順風満帆な日々を送っていた。しかし、ニューヨークでの公演で、元夫ユンチョルと再会し、一夜の過ちを犯してしまう。
韓国に帰国してから、ソジンの元に謎の嫌がらせや脅迫メッセージが届く。ソジンはユニの仕業ではないかと疑い、彼女がいつまた自分の前に現れるかと、気が気でなかった。
そんな中迎えたソジンとダンテの婚約式。ヘリに乗って現れたのは、死んだと思われていたユニ。そしてユンチョルだった。2人が結婚し、さらにはヘラパレスに引っ越してくると聞いたソジンは怒りをあらわにする。
学生時代に名声と恋人…何もかもをソジンに奪われ、さらには大切な友人のスリョンまでも失ったユニは、壮大な復讐計画を企てていた。
罪が白日の下に晒され、豪華絢爛な生活から一変、拘置所生活を余儀なくされたヘラクラブのメンバーたち。ダンテもそのひとりだったが、あの手この手を使って脱走し、ローガン・リーを殺害する。また、同じく捕まっていたソジンも精神錯乱を装い釈放される。ダンテとソジンはお互いを憎み合いながらも、利害一致により再び手を結ぶことに。
そんな中、カン・マリの夫ユ・ドンピルが出所する。ダンテの罪を被り服役していた彼は、またしてもダンテに近づく。その真意は忠誠なのか、はたまた復讐なのか?さらに、ローガン・リーがダンテの弱点に成り得る男ペク・ジュンギを韓国に連れてきていたことが判明して…。
血気盛んな男子高校生たちの勢力争いを描いた青春アクションコメディドラマ。見るからに虚弱体質なビョンテが喧嘩番長のフリをし続けるのには無理があり、「流石にもうバレる!」とハラハラするところでミラクルな出来事が発生する、そのめくるめく展開が爆笑モノの作品となっている。
序盤の数話だけでも目まぐるしい展開を見せ、先が全く読めないのも本作の魅力。1話80分というボリュームにもかかわらず、1話があっという間と感じるほど!
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