都会育ちの4人の韓国の俳優たちが、“世界一幸福な国”といわれるフィンランドで、自給自足の田舎暮らしを体験する『フィンランド間借り暮らし』。雄大な自然の中で、都会ではあまり感じることのない新しい発見や思いがけない出来事に遭遇して乗り越えながら、和気あいあいと過ごす彼らの日常風景に思わずほっこりしてしまいます。
観ているだけでヒーリング効果もありそうな本作の出演者をまずは、ご紹介しましょう。
2007年のデビュー後、『BLEAK NIGHT 番人』(2010年)で青龍映画賞をはじめ数々の新人男優賞ほか受賞歴の多い、1984年生まれのイ・ジェフン。個人的には“初恋”がテーマの『建築学概論』(2012年)やコン・ユ主演作『あなたの初恋探します』(2010年)でも注目していました。
次に、2013年のデビュー後、『エクストリーム・ジョブ』(2019年)などでもコミカルな演技が光っていた、1985年生まれのイ・ドンフィ。近年ではカン・ドンウォン主演作『憑依』(2024年)で独特の存在感を発揮していましたし、チェ・ミンシク主演ドラマ「カジノ」では青龍シリーズアワードで助演男優賞を受賞。イ・ジェフンとは旧知の仲で、現在は彼の設立した事務所に所属する俳優でもあります。
続いて、もともとは歌手の練習生ながら、2012年にドラマのオーディションに合格し俳優デビューした、1997年生まれのクァク・ドンヨン。時代劇『雲が描いた月明り』(2016年)で知名度を上げ、近年では『ヴィンチェンツォ』(2021年)や『涙の女王』(2024年)も話題に。同い年のチャウヌのドラマ初主演作『私のIDはカンナム美人』(2018年)にライバル役として出演以来、6年ぶりの共演。
そして、中学生の時にスカウトされ、2016年にASTROのメンバーとして歌手デビューした、1997年生まれのチャウヌ。美麗なルックスで“顔天才”と称され、日本でも大人気の彼が、日本の朝のトークバラエティ番組『ラヴィット!』に昨年初ゲスト出演して爽やかな風を届けて、ゲームに挑戦していた姿は新鮮すぎました!
『女神降臨』(2020年)ほかラブコメでスウィートな顔を見せながらも、近年は映画『デシベル』などでシリアスな演技に挑戦。同作のファン・イノ監督にインタビューした際、チャウヌが「とても良い演技をしてくれた」と、ただのイケメンアイドルと思っていては損だというお話をされていたことが印象深かったです。
こうしてさまざまな作品で活躍する彼らが、それぞれに個性あふれる素顔を見せるその姿は必見です!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
フィンランドの最北にある地域ラップランドで過ごすことになった、ジェフン、ドンフィ、ドンヨン、チャウヌの4人。出発前に、ひとまず、都会で4人の初顔合わせをすることに。
アラフォーのジェフン&ドンフィ、アラサーのドンヨン&チャウヌが待ち合わせ場所に集結。年上組のドンフィが「気楽に接してね」と気遣い、チャウヌが「僕の弟も“ドンフィ”なんです」と初告白するなど、楽しげに進んでいく事前打ち合わせの様子も面白い。
電気も水道もWi-Fiもない場所に間借り暮らしに行くだけに、どうやって生活していくのか、議論する4人。一番年上のジェフンがしっかりしていそうで実はそうでもなく、ドンフィもちょっと頼りなげ。
そんな年上組とは打って変わって、ドラマでも弟キャラの印象があるドンヨンは、意外にも事前に緻密な計画を立てるしっかり者で、一番頼り甲斐があるのだった。チャウヌは、出国3日前に、母から料理の練習を受ける誠実ぶり。彼の母、弟、愛犬も登場するので見逃せない。
そして出国の日。最初の家主アレクシのもとへと旅立つ4人は、空港で「モイ(こんにちは)」と挨拶の練習にも余念がない。到着後、街でトナカイバーガーを食べたり、ゲームをしたりする3人をよそに、家計簿をチェックするドンヨン。4人の性格が表れている。
車で間借りする家に到着するまで、道路でトナカイに遭遇しながら、自然しかない景色にどんどん入っていく。まるで童話のワンシーンのような木立と湖のそばに、アレクシが待つ家があった。
築200年の家の案内をされ、これから始まる自給自足の生活に驚きを隠せないシティーボーイたち。果たして、これからどんな田舎暮らしが始まるのか!? フィンランド間借り暮らし、いよいよスタート!
やっと家に到着した4人。各自持参してきたものを見せ合うと、自炊したことのないジェフンは、虫除けの電動ハエ叩き、常備薬セットなど、まるで野外キャンプに行く時のような品々を披露。
ドンフィは、食材を刺す400本ほどの串、カセットテープとデッキ、4人分のカメラといったエモいアイテムを持参。ドンヨンに「五感担当ですね」と言われ、「第六感まである」と返すムードメーカーのドンフィ。
ドンヨンは、一人暮らし14年目ということもあって、現実的。「調味料が心配だった」と言い、自宅のキッチンから調味料や鍋を持参し、さらにレシピまで印刷してくる周到派。その様子を見て感心する年上組である。
チャウヌは、母から受けた料理レッスンの際に作ってもらった、母の手作りじゃこ炒め、サキイカの炒め物を持参し、みんなに恐縮される。偶然にもバランスよく異なるものを持参してきた4人。
ラップランドは、世界中の釣りの人の聖地でもあり、自給自足のために家主アレクシから釣りを教わる4人。アレクシの愛犬フリーダが果敢に湖に飛び込み、釣りを始める様子も微笑ましい。しかし、なかなか釣れない現実の厳しさ……。
そんな4人の食料がないため、アレクシは卵と野菜を提供。これらの食材を見て、「すいとんくらいなら作れるんじゃないか」と即座にジャッジするドンヨン。次第に日が暮れてくるため、急いで料理の用意をするため、キャンドルと乾電池で動くランタンを灯して、作戦会議へ突入。
コンロもシンクもなく、食料や水の大切さなどをしみじみと感じる4人。いたるところでカルチャーショックを受けながらも、試行錯誤しながら、みんなで協力して料理が完成。就寝時間になると、家のバラバラな位置にあるベッドのどこを使うか、話し合いに。
新たな発見をいくつもしながら、なんとかラップランドの生活に適応しようとする4人なのだった。
ジェフン&チャウヌは、食材の買い出しに行くため、家主アレクシが書いたスーパーの地図を片手に出発する。ナビがないため、ざっくりとした地図をもとに、木立ちが続く変わらない景色に不安が募る2人。
一方、家に残ったドンフィ&ドンヨンは、自主ベリーを採取したり、前日に不調だった魚釣りに再挑戦したり。そして水をくみに歩いていった先の道路で、買い物帰りのジェフン&チャウヌの車と出会う。
実は、家計を気にしながらも、街でアイスとパンケーキを食べて羽を伸ばしてきた買い出しチーム。家でコツコツと家事を進めてくれていたドンフィ&ドンヨンに、申し訳ない気持ちでいっぱいになるのだった。
うしろめたさから、ジェフン&チャウヌは昼食作りを率先して担当。さっそく外にある薪に火をつけて、料理の準備に取り掛かる。しかし、まったく料理をしないジェフンは、とんでもない調理法を繰り広げ、チャウヌはびっくり。うろ覚えの記憶を頼りに、スクランブルエッグを作ろうとするジェフンなのだが……。
とにもかくにも、普段から料理をする者にとっては簡単すぎるスクランブルエッグのようなシンプルなメニューでも、料理ビギナーにとっては作ることが大変なこと、しかも演技ではキリリとした姿を見せるジェフンのまったく頼りにならない姿が人間味にあふれていて、むしろ親近感が増すばかり。
かたやテキパキと料理を作るドンヨンとチャウヌ。料理ひとつで、さまざまなドラマが生まれるのであった。
家主アレクシから、サウナに誘われる4人。フィンランドには多様なサウナがあり、いろいろなアトラクションをサウナに入りながら楽しむなど、生活にサウナが浸透している。彼らは現地でも珍しい、薪を使った伝統スモークサウナがある小屋へ。
5人はサウナ小屋に入ると、熱した石の上にアレクシが水をかけて温度を上昇させ、熱々の熱風が充満。韓国のサウナよりかなり熱いらしい。アレクシは本格サウナに慣れているが、サウナ初体験のドンフィはのっけからつらそう。
いつの間にか、熱さに負けないのは誰かの対決が始まり、ひとり、またひとりとサウナ小屋をあとにするなか最後に残ったのは……あの人だった! こんなプチバトルがありながらも、翌朝、ドンフィは朝食担当。しかし、彼もまた料理未経験者。年上組は本当、夫にしたら何もしないタイプかも。
とはいえ、自分たちで摘んだブルーベリーで作ったジャムを塗ったパン、念のためにドンヨンが用意したビビン麺が食卓に並び、アレクシの家で過ごす最後の食事はおいしく終了した。そんな彼らの生活を見ていると、不便があっても、心は豊かになるのだとわかる。
続いて、2軒目の間借り暮らしの家へと向かう。アレクシは、道中で寄ることができる“トナカイに関係するオススメの場所”を教える。アレクシのはからいで、都会ではけっして経験することのできない、ラップランドならではの体験をする4人。
そして現地の人たちに愛されている一軒家レストランへ移動。ドンフィが車中でカン・ドンウォンから来たメールの話をするのだが、それもまたクスリと笑ってしまう。それにしても、ドンヨンとチャウヌは自然な英語も堪能。本作を観るまで知らなかった一面だ。
フルコースを堪能し、1時間かけて新たな家主オイバーのもとへ。妻のマルゲッタ、孫6人が現れ、子どもたちのキュートさに癒される4人。挨拶も早々に、オイバーから温室へと案内される。帰宅が遅くなる時に、農園の花を摘んで妻に渡すんだと話すチャーミングな家主。
だが、彼らが間借りするのは家主の家から車で30分の場所だった。再び果てしない山道を進んで、間借り暮らしの家に到着したのだが……!
家主オイバーがいるのは、世界的な陶芸都市でもあるラップランドのポシオ。韓国にも3回行ったことがあるというオイバーはおしゃべり好きのため、車中でもマシンガントークが止まらない。それに付き合うチャウヌ。
やがて全方位を森と沼地に囲まれた小屋に到着。住所もないオイバー所有のその場所は、1軒目と同様にライフラインが途絶えるのだった。森の奥深くながら、雄大な湖を前に景色に圧倒される4人。部屋を案内され、“特別な個室”も紹介されるが、ワケありの個室にはなかなかそそられないのだった。
ラップランドでは釣りは日常。アレクシは釣竿だったが、オイバーは網で魚を獲る。素早く魚をさばくオイバーの手元をじっくり見つめるドンヨン。家主が料理してくれている気持ちに応えたく、みんなで非常食用にとっておいたラーメンを調理することに。
あまり麺は好きではないというオイバーだったが、4人の真心とともに、ラーメンの汁まで飲み干して、帰宅。奥深い間借りの家に残った4人は、こうして2軒目の夜を終えた。しかし、またもやどのベッドで寝るのかをゲームで勝負。その結果、誰がどこで寝ることになったのか……!?
翌朝、寝ている人を起こしに行くチャウヌが、小さな子どものようにいたずらっ子ぶりを発揮! 時々、ちゃめっ気をたっぷり出してしまう姿がかわいい。朝食では、マルゲッタが餞別にくれた手作りのクロスグリパイに一緒にもらったカスタードクリームをつけて、疲れた体に染み入る甘酸っぱさを堪能する4人。その様子を見ていると、食べてみたくなる。おいしそう!!
その後4人は、オイバーのオススメの場所へ車移動。そこはなんと、30匹ものハスキー犬が待っている農場だった。かわいいハスキー犬とたわむれる4人になんとも癒されて微笑んでしまうシーンもいっぱい。偶然日本名のように感じる「ミユキ」というハスキーは、チャウヌにおなかを見せてゴロンと横たわる。犬といえば『ワンダフルデイズ』(2023年)のチャウヌも素敵な笑顔を見せていたっけ。かくして4人は、どうなっていくのだろうか?
本作は旅行番組でもあり、グルメ番組でもあり、ヒューマンドキュメンタリーでもある。4人の性格の違いが興味深く、このメンバーだからこそ繰り広げられる珍道中に笑ったり、ほっこりしたり。シティボーイたちはどう成長していくのか!? まだまだ続く後半戦にも乞うご期待!
※配信日時は予告なく変更する場合があります。
第6話: 2025年1月10日 23:20~
第7話: 2025年1月17日 23:20~
第8話: 2025年1月24日 23:20~
第9話: 2025年1月31日 23:20~
第10話: 2025年2月7日 23:20~
血気盛んな男子高校生たちの勢力争いを描いた青春アクションコメディドラマ。見るからに虚弱体質なビョンテが喧嘩番長のフリをし続けるのには無理があり、「流石にもうバレる!」とハラハラするところでミラクルな出来事が発生する、そのめくるめく展開が爆笑モノの作品となっている。
序盤の数話だけでも目まぐるしい展開を見せ、先が全く読めないのも本作の魅力。1話80分というボリュームにもかかわらず、1話があっという間と感じるほど!
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