イ・セヨン×ナ・イヌが語る『モーテル・カリフォルニア』の舞台裏。「原作を読んで演じたくなった」登場人物への深い共感
12年ぶりに故郷で再会した二人が、過去の痛みを乗り越え、新たな恋を育んでいく──。そんな初恋リモデリングロマンス『モーテル・カリフォルニア』に出演した、イ・セヨンとナ・イヌ。原作の魅力に惹かれ、撮影を通して「何でも話せる仲になった」という二人が、それぞれの役への想いや心に残ったシーンについて、和やかな雰囲気の中で明かしてくれた。
お酒を愛するキャリアウーマンと、お酒を憎むミステリアスな青年。正反対の2人が織りなすロマンス『禁酒をお願い』は、人生初の「禁酒」に挑むヒロインの姿をコミカルかつハートフルに描いた物語だ。
主演を務めたチェ・スヨンとコンミョンはインタビュー中、何度もお互いへの感謝とリスペクトを口にした。息の合ったかけ合いは、まるで劇中のクムジュとウィジュンのよう。お互いだけが知る意外な魅力から、日頃のストレス解消法、俳優としての試行錯誤まで、率直な言葉で語ってくれた。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
──まずは『禁酒をお願い』がどのような作品なのか教えてください。
コンミョン:『禁酒をお願い』は、ごく常識的な愛酒家だと自負していた一人の女性が、お酒を憎む初恋の相手と再会し、人生初の禁酒に挑戦することになる、シラフ死守ロマンスドラマです。
──ご自身が演じた役柄の魅力についてお聞かせください。
チェ・スヨン:クムジュは、自分の仕事を信念を持ってこなしながらも、家族や友人など、すべての人間関係において最善を尽くす人物です。少しおせっかいなところもあるのですが、自分より他人を優先するキャラクターですね。そんな彼女がウィジュンに出会って、だんだん変わっていきます。
私がクムジュに感じた魅力は、とても明るくて気さくで、誰にでも親切なところです。クムジュを演じながら、彼女が少しずつ成長していく過程を段階的に表現するのがすごく面白かったですし、私も一緒に成長できたような気がして、忘れられない役になりました。
コンミョン:僕が演じたソ・ウィジュンは、ある深い事情があって禁酒をした人です。誰にでも心配りができる、温かい心の持ち主でもあります。そういったキャラクター性に、僕はすごく魅力を感じました。この役を演じながら、僕と似ている面も多いと感じましたし、逆に違う部分では「ああ、こういう考え方もあり得るんだな」と、新しい発見をしながら撮影に臨んでいたように思います。
──過去に演じられてきた役柄と、今回の役柄で似ている点や異なる点はありますか?
チェ・スヨン:これまでは仕事ができるキャラクターを演じることが多く、自己主張が強めの役柄が多かったです。今回のクムジュに違う点があるとすれば、致命的な短所を持っているという部分。彼女はお酒がやめられない、ある種アルコールへの依存度が高い人です。ここまで致命的な短所を持ったキャラクターは、今まで演じた中にはいなかったように思います。
コンミョン:先ほども触れたように、ウィジュンの明るい姿が、以前演じたキャラクターたちや僕自身と似ていると感じました。これまでと違う点でいうと、ここまで暗い過去のあるキャラクターを演じたことがあっただろうか、と思うほど深い事情を抱えていました。その点が大きな違いだったと思います。
──この作品の見どころを教えてください。
チェ・スヨン:正反対の人生を生きてきたクムジュとウィジュンが再会することで繰り広げられるロマンスはもちろん、町の温かい人々との日常や、美しい風景など、様々な見どころがあります。
──お互いの相性について、感じることを教えてください。
コンミョン:僕とスヨンさんは相性がすごく良かったと思います。スヨンさんがいなかったら、このウィジュンという役、そして『禁酒をお願い』という作品で、僕が最後まで没入して演じきることができただろうか?と思ったほどです。それくらい、僕にとっては頼りになる俳優さんでした。
現場で一緒にいる時、僕が少し困っていたり、大変な瞬間があったりすると、いつも一緒に悩んでくれて、解決策を探してくれるんです。撮影中ずっと、心強く感じていました。あまりにも大きな存在だったので、これからの俳優人生において、とても大きな仲間を得たような気がしています。
チェ・スヨン:ソ・ウィジュン役は、本当にコンミョンさんでなかったら、どうなっていただろうかと思うほどです。初恋の高校時代の姿から、困難を経験して禁酒をすることになった現在の姿まで、成長するごとに多様な魅力をとても上手に表現していました。コンミョンさんを見て、何か新しい魅力を感じたような気がします。
そして、とにかく現場の雰囲気をとても明るくしてくれて、よく気遣ってくださって。今回のドラマを撮影しながら、本当に素晴らしい、感謝すべきパートナーに出会えたと感じました。
──スヨンさんの魅力はどんなところに感じますか?
コンミョン:初めてお会いした時は、本当にさっぱりした性格の方だと思いました。その後、撮影をしながら、その気さくさとは違った、助けたいし守ってあげたくなるような気持ちも感じました。そのギャップが魅力だと思います。
──撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
コンミョン:とにかくとても楽しかったです。僕たち2人のシーンだけでなく、ほかの先輩方と一緒に撮影する時も、いつも楽しく撮影していました。
──特に印象に残っているエピソードはありますか?
コンミョン:ぱっと思い浮かぶのは、すごく寒い時期に撮影していたので、とにかく寒かった記憶が一番大きいですね。雪原で転ぶシーンがあったんです。僕はいたずら好きなので、撮影の数日前から「現場に行ったら、ものすごい雪玉を投げてやる!」と考えていたのですが、いざ撮影当日になると、本当に寒くて…。雪原に入った途端、どうしようもない寒さを感じてしまって…。
チェ・スヨン:投げてたじゃん(笑)。
コンミョン:それはそうだけど…(笑)。
チェ・スヨン:その雪が思ったよりふわふわしていなくて、カチカチの氷だったんです。当たった途端、大変なことになったと思いました(笑)。
その撮影は後半に行われたのですが、私たちはきれいな風景を撮るために、本当に色々な場所を巡ったんです。一緒に海辺にも行きましたし、雪原にも。干潟や花畑にも行きましたね。大変な状況で撮影をやり遂げなければならないという、2人一緒の責任感を感じたからか、強い絆のようなものが芽生えましたね。
──本作の中で、最も記憶に残っているシーンはどこですか?
コンミョン:ウィジュンがクムジュを突き放すシーンがたくさん出てくるのですが、彼が仕方なく彼女を突き放そうとする時の感情ですね。僕自身が経験したことのない感情だったので、その部分をどうすればうまく表現できるだろうかと考え、役になりきろうと悩んだシーンがたくさんあります。
チェ・スヨン:私は物語の序盤で、クムジュが色々な出来事を経て禁酒を決心するエンディングシーンです。彼女が禁酒を決意するまでに、ウィジュンが陰で努力し、配慮してくれていたことに一気に気づく場面があるのですが、そこではウィジュンに対する多くの感情が湧き上がってきます。以前、ウィジュンから突き放されもして、再会してからもいがみ合うかと思いきや、実は私を気遣い、助けてくれていた。その事実に気づき、ぐっとウィジュンに近づいていくシーンなんです。
すごく寒い中、橋の上で雨に濡れながら撮ったのですが、目の前にコンミョンさんがいる瞬間、とても頼もしく、信頼できて、ありがたい気持ちになりました。寒い天気や一緒に雨に濡れたせいもあると思いますが、そのシーンがすごく記憶に残っています。
──お二人とも多忙な日々を送られていると思いますが、その中でのストレス解消法はありますか?
チェ・スヨン:私は「ミータイム」というのを実践しています。自分が何を好きなのか、何をすることを好むのかをたくさん見つめ、そのための時間を過ごそうと努力している方だと思います。なので、たとえば本を読んだり、ティータイムを楽しんだり、お祈りや瞑想、ストレッチをしたり。自分だけの時間を持つことで、気持ちを整理しているように思います。
コンミョン:僕も今スヨンさんがおっしゃったことと、似ていると思います。たとえば、休みの日に必ず掃除をするとか。一日中休む日もありますが、体を動かすのも好きで、活動的なことをしながらストレスを解消しています。運動に行って汗を流したり、好きなキャンプに行ったり。そういった趣味を楽しみながらストレスを解消しています。
──俳優として、演技の参考にしているものはありますか?
チェ・スヨン:映画や本、SNSですね。最近は様々な媒体から、たくさん学べるようになりましたよね。昔より調べるのもすごく簡単になりました。最近は生成AIもよく使います(笑)本当に優秀なんです。
コンミョン:気になりますね。僕はまだ使ったことがないです(笑)。「これについて教えて?」と聞くんですか?
チェ・スヨン:そうです。ある役割を与えてみるんです。「この単語について説明して」とか、「こういう用語について説明して」とか。文章の要約もしてくれます。
コンミョン:いいですね。僕も今度参考にしてみます。
チェ・スヨン:きっと参考になりますよ。
コンミョン:参考にしているものですが、僕もスヨンさんと似ていると思います。生活の中で直接経験できることには限界があるので、間接経験がとても重要です。そのために一番良いのが、映画を探して観たり、本を読んだりすることなので、たくさん実践しています。最近は動画投稿サイトに演技のトレーニング方法が色々とアップされているので、発声トレーニングや瞑想のようなものを探して実践しています。
──今後、俳優として挑戦してみたい役柄はありますか?
チェ・スヨン:私は悪役を一度やってみたいです。一度も演じたことがないんです。だからとことん悪い役柄を(笑)。
コンミョン:今のその優しい表情では、悪役を任せるのは難しそうですね(笑)
チェ・スヨン:そうですか?(笑)
コンミョン:僕ももう少し、今までの明るい役柄とは違って、悪そうな役をやってみたいですね。でも、2人ともできなさそうですね、今は(笑)。
チェ・スヨン:私たちが悪役をするなら、見た目はすごく明るく見えるけど、実は悪い人という役ならできるかもしれませんね(笑)。
──今後の活動計画を教えてください。
チェ・スヨン:『禁酒をお願い』に続いて、またステキな作品でお目にかかれる予定です。
コンミョン:本当に色々な作品が公開予定なので、たくさん期待してください。
──最後に、日本のファンの皆さんに一言お願いします!
2人:日本のファンの皆さん!ドラマ『禁酒をお願い』をぜひ楽しんでください!
12年ぶりに故郷で再会した二人が、過去の痛みを乗り越え、新たな恋を育んでいく──。そんな初恋リモデリングロマンス『モーテル・カリフォルニア』に出演した、イ・セヨンとナ・イヌ。原作の魅力に惹かれ、撮影を通して「何でも話せる仲になった」という二人が、それぞれの役への想いや心に残ったシーンについて、和やかな雰囲気の中で明かしてくれた。
『脱走』の劇場公開を記念して来日したイ・ジェフンさんに役作りや、ご自身の夢などについて伺いました!
『脱走』の劇場公開を記念して来日したク・ギョファンさんに役作りや、ご自身の夢などについて伺いました!