『あのクズを殴ってやりたいんだ』海里(玉森裕太)は約束を果たせる?波乱の恋の行方が描かれる最終回!
ほこ美のプロボクサーとしての初戦が決定し「試合の写真を撮る」という、かつての約束を果たしてほしいと海里に迫るほこ美。果たして海里は試合に現れるのか?また、海里と相澤の関係性の結末は?波乱の恋の行方が描かれる最終話・第10話をレビュー!
オリジナル脚本で描かれる、異色の”クズきゅん♡“ボクシングラブコメディ。結婚式当日に婚約者に捨てられたアラサー女子がクズ男を殴るためにボクサーを目指す!
演技派・奈緒演じる、フツーすぎる令和のヒロイン・ほこ美と玉森裕太扮する謎の金髪美青年・海里は、運命の恋に落ちた…かと思いきや、海里はお金目当てにほこ美を騙したクズ男だった。ほこ美は「あのクズを殴ってやりたい!」と、ボクシングジムへでトレーニングを続ける…。
ほこ美は得意の物理学をボクシングに応用するという奥義を発見!一方、市役所のイベントで海里にカメラマンを依頼するものの仕事を放棄されてしまう。「クズ!」と責めるほこ美に「知ってる」と返す海里。だが、その彼の行動には裏があった…。海里の過去が明らかになり、その心の傷に切なくなる第3話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
暴漢に襲われそうになったところを助けてくれた海里。「ほっこから目が離せない」と口説き文句のようなことを言いながらも「俺のこと好きになっちゃダメだよ?」と釘を刺してきた海里に、ほこ美は思いを馳せる…。
海里のような爆イケメンにそんなヒーロー+小悪魔な言動をされて、恋に落ちない女子はいなかろう。しかし、相手はお金目当てのクズである。高ぶる気持ちを抑えようとするほこ美…。
そんな中、ほこ美は大葉(小関裕太)から商店街活性化プロジェクトのイベントリーダーに任命されることに。このイベントの顛末から、海里の過去が明らかになっていく…というのが、今回のストーリーの大きな軸に。
まず描かれるのは、ボクシングのトレーニングに勢を出すほこ美。
ゆい(岡崎紗絵)に縄跳びが500回飛べたことを報告し、「葛谷さんが証人です」と告げるが、ゆいは「海里がボクシングのことに首突っ込むはずない」と信用しようとしない。
すると、そこへ成(渡部篤郎)がやってきて「佐藤さんは、もう正式な会員だよ」とほこ美を迎え入れ、ゆいにほこ美のトレーニングを担当するよう指示を出す。ゆいの「縄跳び500回で正式会員」の条件は、ボクシングに生半可で取り組まれることを嫌う彼女が、勝手にほこ美に押し付けていたものだった。
ゆいの厳しい指導に根性で食らいつくほこ美。しかし、全く上達しない…。
その夜、借りた上着を返そうと海里のバーへ立ち寄ったほこ美は、撫(玉井詩織)と相澤(倉悠貴)と出くわす。相澤は、海里は休みで、しかも女子とデート中かもしれないとほこ美に話す。表面上は笑顔でも内心の動揺が隠せないほこ美。
クズだ、殴るだ言いながらも、海里が気になって仕方がないほこ美の不器用な恋心。背景は令和のヒロイン像でも、このあたりの恋の心理描写は普遍的なのだなとしみじみ。
帰り際、前回海里と偶然に会ったゲーセンに立ち寄るほこ美。この行動からも「本音は海里に会いたい」というほこ美の恋心が伝わってくる。
すると、そこにはクレーンゲームに挑む海里がいた!いてほしいところに、ちゃんと会いたい人がいてくれる…。現実ではありえない、かゆいところに手が届くのがラブコメドリームである。涙。
「相変わらず下手ですね」と海里に声を掛けるほこ美。
ここでほこ美は、ゆいから「海里はボクシングのことに首を突っ込むはずがない」と言われたことを彼に話し、その理由を尋ねる。海里はろくに答えずごまかそうとするが、それでも、ほこ美から「でも、好きなんですよね。ボクシング」と畳み掛けられ、ハッとした表情に。
「ボクシングは、相手を殴るだけじゃない…」。
助けられた夜に海里がふとつぶやいた言葉の中に、しっかりほこ美は彼の中にくすぶっているボクシングへの想いを汲み取っていたのだ。
借りた上着を相澤に預けにバーに行ったと話すほこ美に、海里は「わざわざ?」とからかいモード。この段階ではもう、海里のこの言葉も単なるチャラ男のからかいではなく、本音を見透かされたことの照れなのかも、と観る側の印象が変わっている。
海里、実はかわいいヤツなんじゃない?
あたふたとごまかすほこ美に、海里は「俺に会いたかったって話?」とキザに切り返す。
それにつけても、こういうキザなセリフを言ってもクサくならない玉森の色男パワーは無双!今回もまた、この男いるところにキュンあり!
「はあ?」と否定するほこ美に、楽しそうに微笑む海里。
海里は、ほこ美にクレーンゲームの景品をおねだりし、ほこ美は得意の物理学の応用でまたまた、景品をゲット! 思わずハイタッチする2人。
さらに、家まで送ってくれようとした海里に、ほこ美はバンデージの巻き方を教えてくれるようお願いする。
真剣な表情で実際にほこ美の手を取ってバンデージを巻いてくれる海里。「ちっちゃい手」とからかうように笑う海里に、ほこ美はドキドキが隠せない。もちろん、観ているこっちもドキドキ♡
キュン度マックス!…というところへ声をかけてきたのは、ほこ美のダメ母・明美(斉藤由貴)と妹のさや美(鳴海唯)。姪っ子の美々(磯村アメリ)もその横にいる。
海里のキラキラオーラに「タイプだわ〜」と見惚れる明美&さや美。「どういう関係なの?」と問い詰める明美に「もう会うこともないから!」と海里との決別を叫ぶほこ美だったが…。
翌日の市役所。そこには、商店街活性化プロジェクトのカメラマンとして大葉に呼ばれてきた海里がいた!さらに海里が撮影したパンフレットの仕上がりが上々ということで、大葉の声掛けで飲み会が開かれることに。
その飲み会で大葉は海里に、ほこ美が担当するイベントの撮影を軽くオファー。「スポーツイベントにしたい」というほこ美の話の流れから、飲み会に飛び入り参加していた撫は、海里がボクシングをしていたこと、そしてかつて海里が通っていたジムにほこ美が通っていることを大葉に話す。
「人を殴るって怖くないですか?」と軽く尋ねた撫に、海里は真摯に答える。
「ボクシングは相手を敬うスポーツです。同じだけ苦労してきた相手を尊敬する。だから、全力でぶつかって、殴るに値するんです」
その言葉に感動した様子のほこ美は、「受け売りですけど」と照れ笑いする海里を見て微笑みを浮かべる。それに反して、帰宅後にシャワーを浴びる海里の表情はなんとも苦しげだ。やっぱり、海里にはボクシングに相当なトラウマがある様子。
するとここで、場面は11年前の羽根木ボクシングジムへと移り変わる。
リングサイドに座っているのは、前回も登場した大東駿介演じる謎の男性。この人物が、海里の辛い過去に関係していることは間違いなさそう。
ここで明らかになるのは、さっきの海里のボクシングに対する言葉の出どころだ。
ケンカから帰ってきたと思わしき海里に、謎の男性は「プロを目指すんだろ」と諭し、ボクサーとは…と語って聞かせる。海里が飲み会で「受け売り」として話したのは、まさにその言葉そのままだった。
その思い出を振り返ると同時に、試合で相手が倒れ込む様子がフラッシュバックし、しゃがみ込んで苦しむ海里…。
一方、そんな彼の苦しみを知らないほこ美は、さっきの言葉を太ペンでノートに記し、「クズ、殴る、ゼッタイ!」と改めてやる気満々になっていた。
海里に教わった方法でバンテージを巻いたほこ美は、ゆいにいぶかしげに見られながらも、そのスパルタトレーニングに食らいついていく。
しかし、スパーリングで打ちそこねて、ゆいの手首にダメージを与えてしまうほこ美。
そこにジムの女子ボクサーから声がかかる。「ボクシング、甘くないよ!」(ちなみに、この女子ボクサー、市原香織を演じるのは、現WBO女子スーパーフライ級王者・晝田瑞希。初々しいセリフ回しながらも、たまに映るパンチの説得力はさすが!)
落ち込んだほこ美は、ボクシングを諦めようとするが…そんな彼女を母・明美が励ます。
「昔はシャイだった」という明美は、かつて周り中からスナックを開くことを反対されたが「なにくそ!って続けたら、30年」とほこ美に自身の経験を話し、「続けたら、変わるんだね。人って」とつぶやく。
その言葉に、心を動かされるほこ美。
ちゃらんぽらんの毒親に見えて、実はしっかり娘を見守ってきた母・明美。実は、反面教師でありながらも、この母あってこそ、ほこ美がその真面目さを武器に“フツー”を獲得できたのだろうな、という親子の背景にじんわり感動させられる。
そして、ここで明美がアドバイスした言葉が、ほこ美のボクシング技術を大きく向上させることに。
「ほこ美は昔から、頭で理解して、初めて動けるタイプだったもんね」
その言葉を受けたほこ美は、まずは理論から!と、ネットで情報を集めてボクシングの基礎知識を頭に叩き込む。そして、「継続は力なり!」の大きな垂れ幕のもと、再びトレーニングを再開。すると、鬼コーチのゆいからも「いいじゃん!」と驚きの声が。
ほこ美は、そんなゆいの前で立て板に水でボクシングの動きの理論を語ったかと思うと、実にほこ美らしいひと言を告げるのだ。
「ボクシングは物理です!」
ここで伏線回収!
これまでクレーンゲームで発揮してきたほこ美のリケジョたる物理の才能を、彼女はきっちりしっかりボクシングで応用してみせたのである。一気に上達を見せたほこ美に、ゆいも「いいパンチだった」とお褒めの言葉。
ボクシングものといえば、汗、努力、根性の一辺倒というイメージだったところを、華麗に視点を転換してみせたユニークな展開にも拍手!
そんな中、香織の元日本チャンピオンとの試合が決まり、ゆいは香織から直々にセコンドに付いてほしいと頼まれる。
しかし、浮かない顔のゆい。成は「セコンドやれるな?もう7年だぞ」と話しかけ、さらに「海里はもう帰ってこない」と告げる。その言葉を聞いた途端、成に顔を向けるゆい。
成は、「セコンドに入らないならボクシングを辞めるんだな」とゆいに言い捨てて去る。
それをそばで聞いていたほこ美は、7年前に何があったのか気になって仕方ない。もちろん、観る側も同じ気持ち!
そんな中、ほこ美は市役所のイベントを「ボクシング体験」にしようと考え、大葉の後押しもあって実現化。そして、羽根木ジムに協力を仰ぐことに。
…と、ここで突然、場面は神奈川県議会議員・富岡陸夫の執務室の場面へ。
ん?この作品、ラブコメでしたよね?と思っていると、橋本じゅん演じる、厳しい顔をしたスーツの男がやってくる。どうやらこの男が、県会議員の富岡のようだ。
自分宛てに無記名で届いた封筒を開けると、そこにはほこ美の商店街活性化プロジェクトが作ったパンフレットが入っていた。付箋が貼られたページには海里の紹介記事が…。それを見て、憮然としてパンフレットを投げ捨てる富岡。
これはどういう伏線?
しかし、その答えはここでは明かされず、シーンは海里のバーを訪れたほこ美の姿へ。イベントの撮影を改めて海里に依頼したほこ美は、そのイベントに羽根木ジムの成、ゆいも参加すると伝える。去り際、「7年前、何かあったんですか?」とほこ美は海里に尋ねるが、当然ながら海里は「ほっこに関係ないでしょ」と冷たく答える。
ほこ美が帰ると、しかし、それまではトラウマからボクシングはおろかスポーツの撮影すら相澤に任せていたというのに、今回のイベントに関しては相澤から「代わりに行きましょうか?」と申し出があっても「大丈夫」と答えて、自分で撮るつもりの様子の海里。
ほこ美が、ボクシングへの海里のトラウマを晴らす一助になるのか…!?
…と思いきや、イベント当日、海里は来なかった。探しに行ったほこ美は、目を疑う。なんと、女子とともにでパチンコで遊んでいたのだ!
「役所の仕事は自分には向いてない。もうボクシングなんて好きじゃない。余計なお世話」とケロッとした表情の海里。
「クズ!」と静かに怒りをぶつけるほこ美に、海里は「知ってる」と答える。
このシーン、第1話と同じセリフのやり取りだ。が…、明らかに海里の心境に変化があることが見て取れる。奈緒と玉森の繊細な演技から、関係性の変化が伝わってくるのもこの作品の醍醐味!
「今の貴方は殴る価値もない」と吐き捨てるほこ美。そう言われて、まるで何も感じていないかのように振る舞う海里。しかし、そのわずかな表情の変化から、心の奥底では傷ついていることが伝わってくる。観る者の切なさを搾り取るような、繊細すぎる玉森の芝居には唸ってしまう。この男が生み出すのは、カッコよさに対するキュンだけじゃない。切なさにもキュン!なのである。
イベントに戻ったほこ美に、「余計なことしてほしくなかった」と言い捨てるゆい。
一方、イベントには、大葉もほこ美も知らないところでしっかり代わりのカメラマンが手配されていた。海里が手配したということ?
そんな疑問をいだいていると、再び富岡議員が登場!しかも、彼の執務室には大葉がいる。どういうこと?
「葛谷海里というカメラマンはご存知ですか?」と切り出した大葉に、富岡は、「こんなどうしようもないヤツを、公共事業の専属カメラマンに使っちゃいかん」と告げる。さらには「こいつは人殺しだ」とも。この2人の関係性とは?
時は変わって、大葉がほこ美を呼び出すシーンへ。大葉は、海里が自分から仕事を放棄したのではなく、上の判断で首になったとほこ美に明かす。
「7年前、葛谷さんがボクシングで対戦した相手が、試合の後に亡くなったらしい。影では人殺しという人もいたらしい」と真相を告げる大葉。
それを聞いて、パチンコ屋で海里に「クズ」と言い放った自分を後悔したほこ美は、市役所を飛び出して海里のいるバーへ走る!
しかし、そこには先にゆいがいて、なぜか海里に抱きついていた…。
偶然、それを見てしまい、ショックを受けるほこ美…。
これまたラブコメ王道の展開!
ど根性+リケジョのボクシング成長物語に、海里の過去というサスペンスチックな展開を盛り込んだ欲張り展開の中、ここぞというところはきっちりラブコメ王道の展開で観る者のハートを握ってくるこのドラマ。かゆいところがわかってらっしゃる!
海里を巡って、このままほこ美とゆいの三角関係が描かれるのか?次回の展開を待つしかない!
第3話の視聴はこちらから
第4話の予告編はこちらから
ほこ美のプロボクサーとしての初戦が決定し「試合の写真を撮る」という、かつての約束を果たしてほしいと海里に迫るほこ美。果たして海里は試合に現れるのか?また、海里と相澤の関係性の結末は?波乱の恋の行方が描かれる最終話・第10話をレビュー!
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