髙橋海人の“言葉”は私たちを優しく抱きしめる『DOPE 麻薬取締部特捜課』第4話
髙橋海人、中村倫也主演、性格正反対のふたりによる刑事ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第4話をレビュー
ふと思う。「あれ、さっきまで笑ってなかったっけ?」と。
笑いから一転、固唾を呑んで見守る展開となった『DOPE 麻薬取締部特捜課』第5話。全視聴者が“ブッ刺さった”であろう中村倫也のアクションを軸に振り返る。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
特捜課の面々は、おとり捜査の一環でナイトクラブに潜入していた。柴原拓海(豊田裕大)が「フリースタイルバトルの初戦で負けたラッパー」、綿貫光(新木優子)が「三股かけてる尻軽女」と、それぞれテーマを持って扮装するなか、ひときわ目を引く存在がいた。才木優人(髙橋海人)である。
そんな彼を見た陣内鉄平(中村)は、目をギョッとさせる。なぜなら、全身ヒョウ柄の才木が、リズム感ゼロで踊っていたからだ。今回の服装は学生時代の私服らしい。それだけでも目立つのに、なぜか右手でリズムを刻んで歩いていた。
売人とコンタクトをとる役割だったものの、あっさりと正体がバレて、ボコボコになった才木。その後、フラリと陣内が現れ、あっという間に売人たちを成敗した。
中村のアクションは“必死感”がないのがいい。実力の半分も出していないように見えるのが、逆に陣内の圧倒的な強さを証明している。時折見せる笑顔は「彼の実力はこんなものではない」と思わせる“狂気”をはらんでおり、不気味でワクワクする。
翌日、逮捕術や格闘技が苦手だという才木のために、綿貫がトレーニングをすることに。マンツーマンでミット打ちをやったが、確かに才能はなさそう。あまりにも弱い才木を見た陣内は「鍛錬あるのみですね。伸びしろですね」と、じゅんいちダビッドソン風にエールを送った。綿貫曰く、彼が誰かのトレーニングを見に来ることなんて一度もなかったという。それだけ、才木のことを気にかけている、ということか。ただ、陣内には別の思惑もあったようだが。
……緊迫したシーンはありつつも、このあたりまではユニークな場面も多かった。だが、後半になると『DOPE』が次のステージへと移行し、緊張感も増していく。
これまで謎に包まれていた泉ルカ(久間田琳加)が、じつは元特捜課のメンバーで、先輩である綿貫から厳しい指導を受けていたこと、才木の妹・結衣(蒼戸虹子)の異能力が開花したこと、そして謎に包まれた異能力ハンターの登場など、物語は急展開に。
そんななか、山田ニコラス(フェルナンデス直行)が潜入中、拷問を受ける事件が発生した。
夜、ニコラスの病室に何者かが侵入する姿を目撃した陣内。急いで病室に駆けつけると、急に男に襲われた。激しいバトルの末に返り討ちにしたものの、男は妻・香織(入山法子)の存在だけでなく、亡くなった当日の服装まで知っていた。「そうか。お前か。香織を殺したのは」。陣内は殺気と憎悪が入り混じった表情で拳銃を向ける。
そのとき、突然現れたジウ(井浦新)が男の頭を撃ち抜いた。「お前何してんだ!」。激昂する陣内を一発の発砲で黙らせたジウは、男が殺し屋であり、香織を殺害した人物とは別だと述べて……。
ここでも、中村のアクションシーンが見られた。殺し屋とのナイフバトルは、殺気としなやかさが同居していて、まさしく華麗な“蹴り”で“ケリ”をつける流れに。無駄のない美しい動きで、敵を圧倒していた。
要所に高度なテクニックが挟まれているだけでなく、どこか色気があるのが陣内のファイトスタイル。「陣内ならこうやって敵を仕留める」というイメージ通りの動きを見せていて、どこか彼自身のキャラクターとも合致する。これは、中村倫也だからこそできる表現ではないか。今回は、あでやかさすら感じる中村の“魅せるアクション”を堪能できて大満足の回だった。
次回は第6話。予告を見る限り、才木が新たな異能力に目覚めるらしい。今回とは打って変わって、綿貫とのスパーリング(?)でもうまく対応している様子。いよいよ、才木が覚醒するのか?今後のことは分からないが、「才木と陣内の共闘シーンも見てみたい」と思うのは私だけじゃないはず。次回の放送を楽しみに待ちたい。
第5話はこちらから
第6話予告編はこちらから
公式サイトはこちらから
髙橋海人、中村倫也主演、性格正反対のふたりによる刑事ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第4話をレビュー
髙橋海人、中村倫也主演、性格正反対のふたりによる刑事ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第3話をレビュー
髙橋海人、中村倫也主演、性格正反対のふたりによる刑事ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第2話をレビュー
髙橋海人、中村倫也主演、性格正反対のふたりによる刑事ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第1話をレビュー
『しあわせな結婚』『ファーストキス』『カルテット』…名作を名作たらしめる俳優・松たか子の厳選5作品を紹介
順調に関係が進展している奏と真城。初めてのキスをしてそれぞれその瞬間を思い出し、幸せをかみしめている。 互いへの想いは大きくなっていくばかり。だからこそ恋にはつきもの、ささいなことで「嫉妬」という感情もふたりの中でふくらんでいく。
第5話では、快の愛犬・将軍をめぐる争いがついに決着。それと同時に、愛子×快×ソハの三角関係が本格化する兆しが見えてきた。