阿部寛“進藤”VS高橋英樹“国定”のバトルが濃厚すぎる!寺西拓人“謎の男”にも惹きつけられた『キャスター』最終話
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JBN『ニュースゲート』が警察官による暴行事件のもみ消しをスクープしたところから始まった日曜劇場『キャスター』第5話。特に印象的だったのが、本番中に進藤壮一(阿部寛)が述べたある訴えである。進藤が視聴者に語りかけた想いとは──。今回は、ドラマを通じて自身の“生き方”を省みる回となった。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
『ニュースゲート』はスクープを掴んでいた。交際のもつれから警察官に暴力を振るわれたという女性が署に相談にやって来たが、もみ消されたというのだ。隠ぺいしたのは、警視庁参事官・村崎善延(手塚とおる)。告発者は、ディレクターの梶原広大(玉置玲央)と古くからの知り合いで、赤坂南署・署長の竹野夕希子(緒川たまき)だった。
番組で竹野にインタビューをすることに。しかし、竹野は梶原の知らぬところで会見を開き、「赤坂南署の職員は暴行事件に関与していない」と説明した。納得できなかった梶原は、竹野に会うも満足な返答はなかった。それならば、と被害者から相談を受けた刑事・深川光恵(前田亜季)に突撃するも、これが大問題に。局ごと出禁となり、梶原は番組をクビになった。
進藤は社会部の安藤恵梨香(菊池亜希子)を通じて、村崎と対面。番組で使えるネタを提供してもらった。それは、被害者が勤務先で客とトラブルとなって暴行し、警察に逮捕された、というニュースだった。このスクープで、被害女性を非難する声が急増。JBNの出禁は解除となった。
その後、進藤は一日署長イベント参加をきっかけに証拠を手にし、深川にも接触。彼女が村崎に指示されて調書を削除した言質をとった。番組としては、匿名のインタビューに答えてもらい村崎を告発するつもりだったが、なぜか先を越され、深川が出演を拒否してきた。村崎が手を打ってきたのだ。この一件で内通者がいると踏んだ進藤は、罠を仕掛け、JBNの社会部部長・駒井徹史(安井順平)が裏切り者であることをあぶり出した。
さらに、暴行事件を起こした刑事が反社会勢力とつながり金を受け取っていたこと。村崎へも送金していたことを突き止める。村崎にとっては、反社会勢力とのつながりが明るみに出るとまずい。そのため、暴行事件自体をもみ消し、竹野や深川の前に現れて口封じをした、というわけだ。彼は、暴行事件を起こした刑事らを切り捨て、自ら証拠を隠滅しようとしたが、進藤たちが待ち構えていた。
この一連のスクープを『ニュースゲート』で取り上げた際、進藤はこんなことを語った。
「権力の下では事実よりも都合が優先される。誰かが不正を指摘すれば『空気が読めない』と疎まれ、『正義のため』と声を上げれば『組織を乱すな』と封じられる。
皆さんも思い当たることはないでしょうか?職場で、学校で、日常のどこかで、理不尽をのみこんだこと。おかしいと感じながらも沈黙を選んだこと。そしてその沈黙がさらなる不正を助長してしまったこと。組織のため、立場のため、守るべきもののために、私たちは知らず知らずのうちに良心にふたをする」
「『仕方がない』という言葉は本当に正しいのか?『そういうものだ』と見過ごすことは正解なのか?沈黙が続くかぎり、この社会の構造は決して変わらない。あなたはこの現実を受け入れるのか?それとも疑問を抱き続けるのか?考えるのはあなた自身です」
進藤はカメラ目線で『ニュースゲート』の視聴者に問いかけた。それと同時に、ドラマを見ていた人にもしっかりと届いたようで、SNSでは「響いた」「刺さる」「進藤さんかっこいい」といったコメントがあった。
まだ謎に包まれている進藤壮一だが、確かに彼が訴えた言葉は“本物”で、刺さるものがあった。この世の中には当たり前にしてはいけないことが「当たり前」になっている。知らぬ間に「そういうものだ」と飲みこんでしまっていることがある。進藤が語りかけてくれたように、疑問を抱き、声を上げることが大切なのではないか、と感じたシーンだった。
次回は第6話。崎久保華(永野芽郁)は、「脳死と診断された夫の肺を娘に移植したい」という藤井真弓(中村アン)を取材する。
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