若き人気政治家・清家一郎(櫻井翔)と有能な政務秘書官・鈴木俊哉(玉山鉄二)。清家の学生時代からの清家と鈴木の不可思議な関係に気付いた新聞記者・道上香苗(水川あさみ)は、清家の成功の裏で、いくつもの不審な死亡事故が起きていたことを知る…。清家に切られた鈴木に、お互いの父が死んだ原因になったBG株事件の真相を共に追いかけようと誘う道上。そして2人はついにタッグ!そんな中、官房長官となった清家は「ヘイトスピーチ厳罰化」を推し進める。BG株事件に絡む政治家の元秘書を探り、その証拠が浩子の手にあることを突き止めた道上と鈴木。しかし、一方で謎の男に襲われた道上は、すんでのところで逃れた先で、浩子と再会することに…。道上がついに浩子の過去を暴き出す、怒涛の第8話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
いよいよ、道上と浩子(高岡早紀)の直接対決!
「私になんの御用?」と余裕しゃくしゃくで道上に微笑む浩子に、道上は「清家嘉和さんは本当に事故死だったんでしょうか?」と問いかける。
さっき襲われたばかりだというのに、黒幕と思われる浩子を前に、毅然と彼女の疑惑を次々と畳み掛ける道上。やっぱりタフである。
すべて清家の出世のために浩子が裏で糸を引いていたのでは?と言い募る道上。
「あなたは息子さんを操って、いったい何をしようとしてるんですか?」
しかし、浩子はそれには答えず、道上の息子・勇気(森優理斗)を持ち出すところがいやらしい。「子どもとの時間を犠牲にしてまで、そんなことしてていいの?」と。さらに、道上が取材対象者を自殺未遂に追い込んだ過去も引っ張り出して責め立て、「人を嗅ぎ回る前に自分の身の回りを気をつけろ。後悔しても遅い」と言って去る浩子。強すぎる…。そして黒すぎる…。
不安になった道上は勇気に電話。すると、そこに近づく男の影…!不安的中?となるも、彼の横を通り過ぎたのはただのジョギングの人だった。このドラマお得意のフェイントで、ひとまずホッ。
道上は「夫が待っている」と浩子が話していたことが気になり、彼女を追いかけて「小松」という表札のある家へ。夫らしき人物は明らかにヨボヨボ。こりゃまた後妻業チックなニオイが…。
と、そこへ後輩記者の青山(曽田陵介)から耳寄り情報が道上にもたらされる。前回から引き続き、ナイスアシスト後輩くんである。清家は今夜、故郷の松山に戻り、なじみの店「春吉」で食事する予定だという。道上は「春吉」へ向かうが、時すでに遅し。清家はひと足先に帰っていた。
佐々木から渡されたメモを1枚に書かれていたのは、「くれぐれも無茶はしないで」という言葉。
佐々木は道上に、翌日に清家が支援センターで講演をするから行ってみればと勧める。そこで佐々木が意味ありげに言う「会えるといいね」というシーンの意味もどこか気になる…。
支援センターを訪れた道上は、清家の支持者に「批判的なジャーナリストが何しに来た」と大反発を受け、「帰れ!」とののしられる騒ぎに。すると、そこへ現れてみなを制したのは清家!
「気を付けて」と道上に言い残して去る清家を、道上は呆然と見送る。
さてさて、今回も怒涛の展開。
帰京した道上を待っていたのは、元夫・旗手(和田正人)が急病で入院したという知らせ!入院中、道上が勇気を預かることに。道上にすれば、第3話で取材にかまけて勇気をほったらかしにした件の、罪滅ぼしのチャンス!勇気を遊びに誘うのだが…、観る側には勇気が敵に何かされないか不安で仕方がない。
そんな不穏な空気がうっすら漂う中、場面変わってイケオジパラダイス♥…じゃなかった、道上の務めるオフィス。そこに訪れた鈴木に、道上は今の浩子に元医師の夫・小松がいることを報告する。「初耳だ」という鈴木に道上は、浩子にとっての小松の利用価値を調べる必要があると続ける。
と、そこへもうひとりのイケオジ、山中パイセンが帰社。銀座でどデカい情報を仕入れたというのだ。
それは、浩子が銀座のホステス時代、「劉浩子」と名乗っていたという証言。
「劉」という姓、どこかで聞いたような…。そう、清家の元カノ・真中亜里沙のペンネームは「劉麗蘭」だった。何か関係があるのか?
ここで道上の推理が光る。
亜里沙の偽名・三好美和子は彼女を学生時代にいじめていた女子の名前。とすると、「劉麗蘭」の名前も当時、亜里沙が恨んでいた人物の名前を当てつけに使ったのでは?
そして、考えられるのは浩子のルーツが中国にあること。
ひいては、現役の官房長官である清家のルーツもまた中国!
それを隠しているとしたら、その裏にあるものは…。
愛南町で清家嘉和の事故当日、浩子たちが東京・御徒町の親戚の家にいたという事実を突き止めていた道上は、当時からあった店の女性から「劉」と名乗る女性の記憶を聞き出す。
生きていれば90歳ほど。浩子はその娘なのでは?と。そして、「劉」は酒を飲んでは「封筒」「空調」という言葉を、泣きながらまくし立てていたとも。
さらに道上は、「劉麗蘭」が浩子だという証言を得るために老舗の中華料理店へと出向く。そこでわかったことは、御徒町の親戚はすでに亡くなっていること。浩子の母が「劉英華」という名の中国人だったこと。そして浩子の父が日本人だったこと。
つまり、清家は中国と日本のクオーターだった!
すぐにでも愛媛に飛んで、浩子の過去を洗い直し、さらに小松との関係を突き止めたい道上。
しかし、今は勇気を預かる身。週末に遊ぶ約束をしてしまっている…。
帰宅し、ぐっすり眠る勇気の寝顔を切なく見つめる道上。使命と愛との板挟みである。
一方、もうひとり、息子を見つめる母親の姿が…。愛南町のテレビで大画面テレビに映る清家を見つめる浩子である。
「ヘイトスピーチ厳罰化」について街頭演説で熱く述べる清家の姿を見て、しかし、浩子は喜ぶのではなく、少しいらついたようにテレビを消してしまうのである。
清家は浩子の思惑で「ヘイトスピーチ厳罰化」を叫んでいるわけではないのか?
しかも、その直後、浩子は清家が初当選した時の写真を指でなでながら、満足そうなほほえみを浮かべてみせる。これまた一体どういうこと?親子の関係性にでっかい「?」が点灯する。
ここで場面は、清家の執務室へ。難しそうな表情で彼がめくる資料のタイトルは「首相公選制を考える懇話会」。また新たな政策を形にしようというのか。それはどんなもので、誰の思惑?
相変わらず、清家の表情からは何も読み取れない。
一方、鈴木は、BG株事件に関わった疑惑のある諸橋大臣(矢島健一)の元秘書で、今は行方不明の富樫の行方を探すことに。彼は、自殺した元秘書・中島宅で富樫の写真を手に入れる。そして、中島の妻は富樫が電話で誰かを高圧的に怒鳴る姿を見たとも…。
今回は約束通り、勇気と公園に遊びに出かけた道上は、仲良く一緒にお弁当を食べる。かつて父・兼高(渡辺いっけい)から「知らないを世に知らしめることの大切さ」を教わった経験から、勇気の悩みにアドバイスする道上。
しかし、そんなほのぼのタイムは、ふたりを盗撮する男によって邪魔されてしまう。「取材対象を自殺未遂に追い込んだジャーナリスト」として好奇の目は、道上にどこまでもつきまとう…。
落ち込む道上。そんな中、彼女はまさにその自殺未遂した柏木と病院で再会する。柏木は意外にも道上に感謝していると告白する。
「あれが最後のやり直すチャンスだった。あなたが私を変えてくれた」と。
複雑そうな、しかしどこか救われたような表情になる道上。
心機一転で取材を進める道上は、清家の祖母の口癖だった「封筒」「空調」という言葉に改めて着目する。清家が政治家を目指したきっかけは祖母。清家が浩子の影響下にあるように、浩子もまた、祖母の・劉英華の影響下にあるのでは?と睨んだのだ。劉英華は、なぜ孫を自身にとっては異国である日本で政治家にしようとしたのか?
道上は、たまたまオフィスに来た母の小料理屋のアルバイト・凜々(咲耶)に、「封筒」「空調」に似た中国語はないか尋ねる。
そこで得た答えは…復讐!
浩子は清家を操って、なんの復讐をしようというのか?
また、浩子が小松と再婚した思惑は?
ここで場面は切り替わり、鋭い目つきで国会の階段を登る清家の姿。
マトリョーシカのように真意が見えない、清家の抱えるものとは?
様々な謎が明らかになり、いよいよクライマックスを迎える本作。
次の展開を心して待て!
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