『25時、赤坂で Season2』第9話 羽山`駒木根葵汰’が乗り越える、人として、役者としての壁
主演映画がクランクインした羽山麻水。しかし、自分自身の感情を役としてぶつける、というところで壁にぶつかっていた。

駒木根葵汰&新原泰佑がW主演を務める水ドラマ25『25時、赤坂で Season2』の第4話が、10月22日に放送された。
共に舞台「雨と懺悔」のオーディションを受けていることを知った白崎由岐(新原泰佑)と羽山麻水(駒木根葵汰)。それも同じ役で。
白崎は羽山にオーディションが終わるまで、しばらく距離を置くことを提案。一緒に暮らし始めたばかりのふたりだったが、しばしの家庭内別居状態に突入する。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
ここまでは白崎と羽山の仲睦まじいシーンが印象的だったが、4話はよりふたりの「俳優」としての姿がクローズアップされる形となった。
オーディション会場で互いの演技を目の当たりにするふたり。視聴者としても興味深いシーンだった。同じシーンでも役者が違うとこんなにも違った作品になるのか、と改めて驚かされる。役への解釈、その該当シーンへの解釈が違えば、当然表現の仕方が変わってくるわけだけれど、普通は同じシーンを別の役者がやっているのを見ることはまずない。おそらく、白崎と羽山とでは、少し解釈が違う部分もある。演技だけでなく、どちらの解釈がより演出家らと一致するのか確認するのも、オーディションでは大事な要素なのだろう。
そして、その数分に全てがかかっている。だからこそ、緊張感がすさまじい。オーディションシーンは固唾をのんで見守ってしまった。
羽山がオーディションを受けていることを知り、さらにその演技を目にした白崎は羽山に「このオーディションが終わるまで少し距離を置きませんか」と提案する。この言葉に羽山はわずかに狼狽。「それじゃあ家庭内別居だ」と言って、最初は反対の姿勢を示す。しかし、白崎は言う。
「胸張って麻水さんの隣にいたい」
「俺は麻水さんに負けたくない。麻水さんはどう思ってる?」
勝ちたいとは思わない、でも負けたくない、と言っていたのは同じくオーディションを受けていた佐久間(宇佐卓真)。
難しい感情である。羽山もその言葉の意味に悩む。
愛おしい恋人ではあるけれど、白崎にとって羽山は憧れの人であり、ずっと追いかけてきた人でもある。恋人として隣にいるけれど、果たして俳優としては……? 大げさかもしれないけれど、ひとつの引っ掛かりのようになっているのかもしれない。
羽山も自分なりに解釈をしたところで、改めて白崎に「負けたくないと思っている」と伝える。自分も白崎を追いかけている、と。白崎は「嘘でも嬉しい」と言ったけれど、それだけ、自分は羽山には及ばないという思いがあるということだろう。しかし、羽山としても本心。隣に並んでいたい。オーディションの話のはずなのだが、「負けたくない」の言葉にこんなに愛が込められるなんて思いもしなかった。
今回は家庭内別居中ということもあって、ふたりの仲睦まじい姿はあまり見られることはなかった。
が、ひとりで食事をしているときの寂しそうな様子!
それぞれ、自分の部屋で「触れたい」とつぶやく姿!
オーディションのためには良いかもしれないけれど、ほかの仕事面では大丈夫なのだろうか、集中力がそぞろになったりしないのだろうか。いやふたりはプロだからそんなことはないか、と余計な心配をしてしまった。
ただ、会わない時間が愛を育てるというのはこのふたりに限ってはその通り、となりそうな予感。事実、相手への想いが募っているのが伝わってくる。触れ合わなくても、こんなにも相手への愛があふれた表現ができるのだな、と感心させられる回となった。
第4話の視聴はこちらから
第5話の予告編はこちら
主演映画がクランクインした羽山麻水。しかし、自分自身の感情を役としてぶつける、というところで壁にぶつかっていた。
続く舞台『雨と懺悔』の稽古。しかし白崎由岐は壁にぶつかっていた。自信を無くした白崎は肩を落とし、羽山麻水との家へと帰り…。
舞台『雨と懺悔』のオーディションで選ばれた白崎由岐はいよいよ稽古がスタート。羽山麻水も主演映画の撮影準備に。それぞれがやる気に満ちていたが…?
舞台か、映画か。マネージャー・明野圭(片山萌美)は羽山に映画を選んでほしいと言うが……。
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