『対岸の家事』第4話、多部未華子が“プリンセス”田辺桃子を略奪? 映画『卒業』へのオマージュに反響
第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
初回の放送から子育て中の女性を中心に共感を呼んだTBS系火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』。4月9日に放送された第2話では、ディーン・フジオカ演じる育休中のエリート官僚パパ・中谷が登場した。中谷の「専業主婦は贅沢」「旦那さんがかわいそう」発言に詩穂(多部未華子)はモヤモヤ。そんな詩穂に夫の虎朗(一ノ瀬ワタル)がかけた言葉が「めちゃくちゃ良い旦那」と視聴者から絶賛されている。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
同じマンションに住む働くママ・礼子(江口のりこ)と立場の違いから一度は対立するも、家事や育児の悩みを分かち合ったことでママ友となった専業主婦の詩穂。その矢先、娘の苺(永井花奈)と訪れた公園で、厚生労働省の官僚で2年間の育休を取得している中谷と出会うのだった。
中谷の娘・佳恋(五十嵐美桜)は苺と年が近く、一緒に遊ばせてあげられるパパ友ができたと詩穂は喜ぶ。ところが、中谷は詩穂が専業主婦と知るや否や、「低成長、超少子高齢化…養わなければならない人間がどんどん増えてるこの時代に、女性が家事だけに専念できる余裕は、この国にはもうないんです」とまさかの説教。
専業主婦だって家事や育児に日々忙しく働いているが、中谷は賃金が発生しない主婦業を仕事とは決して認めようとせず、「専業主婦は贅沢」と言い張るのだ。
詩穂は中谷の専業主婦を見下した発言や態度に悶々とした気持ちを抱えながらも、苺が佳恋と遊べて嬉しそうにしているため、仕方なく付き合いを続けていくことに。だが、あることをきっかけに2人の関係は決裂する。
ある日、中谷の家に突然呼び出され、そのまま強引に水族館に連れていかれた詩穂。子供たちは喜んでいたが、一日の予定が狂った上に家族3人で水族館に行く約束をしていた詩穂は中谷に苦言を呈す。しかし、「仕事をしているわけじゃないんだし、時間ならいくらでもあるでしょ」と本人は悪びれる様子もない。
完璧主義でプライドが高く、自分の非を一切認めようとしない中谷。それはおそらく、たびたび彼の脳内にフラッシュバックする母親の影響なのではないか。詳しくはまだ語られていないが、中谷は母親から常に完璧でいることを求められ、しつけと称して暴力を振るわれていたとみられる。
大人になった今でもその呪縛に囚われ続けている中谷は、仕事と同じように育児も徹底した計画のもとで完璧にこなすつもりだったのだろう。だが、実際は「仕事の方が楽だった」と思えるほど、育児は大変だった。
子育ては思い通りにいかないことばかりで、まだ1歳の佳恋はすぐに泣くし、ぐずるし、叱ったところで言うことを聞いてくれない。仕事で学んだPDCAも言葉の通じない幼児の前では無用の長物となってしまった。
その上、努力が上司からの評価や給料に直結する仕事とは違い、育児はどんなに頑張っても分かりやすい成果は得られない。毎日同じことの繰り返しで、前進しているか後退しているかもわからず、誰からも褒められることのない生活に中谷は疲弊していく。
そんな中で出会った詩穂は、中谷にとって“救世主”だった。それなのに厳しい態度を取ってしまうのは、自分の母親と詩穂が重なったからかもしれない。詩穂は専業主婦に給料は出ないが、子供が初めてを更新するたびに得られる達成感が自分にとっての報酬だという。しかし、中谷はそういう母親から一身に受ける期待に苦しめられてきた。その母親を自分の中から追い出すためにも、詩穂の生き方を否定せざるを得なかったのだろう。
海外で単身中の妻・樹里(島袋寛子)から「その人はあなたのお母さんじゃない」「せっかく話し相手になってくれるママ友ができたんだから、もっと大事にしないと」と言われて反省し、詩穂を水族館に誘った中谷だったが、良かれと思ったことを否定されて、ついもっと酷いことを言ってしまった。
本来なら、もう顔を合わせることもなかったかもしれない。しかし、その夜、佳恋が熱性けいれんを起こし、スマホも見つからずパニックに陥っていた中谷は、タブレットからもアクセスできるメッセージアプリで唯一繋がっていた詩穂に救われる。
初めて人に自分の弱いところを見られて、ばつが悪かったのだろう。その日から公園に姿を現さなくなった中谷に詩穂は「私たち、協力しませんか? そうすれば、乗り越えられるような気がするんです」と歩み寄る。仕事も育児もひとりで完璧にこなす必要なんてない。
困った時は誰かと助け合えばいいと詩穂から教わった中谷は、年齢も性別も生き方も異なる自分たちの関係を“同僚”と名づける。それは専業主婦を軽んじていた中谷が、その働きを立派な労働と認めた証拠。ついでに詩穂が書いた絵を小馬鹿にする中谷は素直じゃなくて、やっぱりちょっと面倒くさい。それでも憎めないのは、演じるディーン・フジオカのなせる技。不器用なだけで、一生懸命なのが一挙一動から伝わってくるから、なんだか愛らしく見えるのだ。
特に佳恋から初めて「パパ」と呼ばれ、本気で喜ぶ中谷の姿は微笑ましかった。詩穂が言っていた報酬とは、そういうこと。中谷の母親みたいに詩穂は苺に完璧など望んでいない。どんなに些細なことでも子供の成長を感じられたら、心から喜べる人なのだ。
だけど、その価値観を同じ専業主婦の人に押し付けるのは何か違う気がする。「妻が専業主婦じゃ、自由にお金も使えなくて旦那さんがかわいそう」という中谷の考えが気にかかっていた詩穂は虎朗に本音を聞いてみることに。
すると、虎朗は「俺は飲みに行くよりも、早く家に帰って、詩穂の飯食って寝たい」と即答。さらには「俺の給料はさ、二人で稼いでいるようなもんじゃん!」と微笑みかけるのだった。詩穂の小さなことに幸せを感じられる生活は、そういう虎朗からの愛や感謝があってこそ成り立っているのだ。
虎朗の言葉に視聴者からは「こんなこと言ってくれる人いるの」「めちゃくちゃ良い旦那さん」「良い旦那すぎて私が泣けてきた」「虎朗、つくづくスパダリすぎて好きだ」と称賛の声が上がった。一方で、居酒屋のバイトの女性が酔っ払った客から庇ってくれた虎朗にときめく描写が。どうか浮気にだけは走らないでほしいと願わずにはいられない。
第2話の視聴はこちらから
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第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
詩穂(多部)がピンチに陥った礼子(江口のりこ)から子どもを預かる。そこで問題となってくるのが、育児を“肩代わり”した分の報酬。放送後には、劇中で登場したワード「肩代わり制度」がX(旧Twitter)でトレンド入りを果たした。
厚生労働省に勤務するエリート官僚で2年間の育休を取得したパパ・中谷達也を演じるディーン・フジオカさんにインタビュー。
礼子を演じる江口のりこさんにインタビュー。本作出演にあたって感じた思いや、江口さんが考える“対岸の相手”の意味合いを語っていただきました。
第1話では、詩穂が出会う働くママ=ワーママ・礼子の叫びに視聴者から共感の声が上がった。
互いの想いを伝え合ったふたりだったが、恋愛にトラウマがある麻衣は「付き合う」という関係に踏み出せない。しかし、上下はめげない。麻衣が安心して付き合えるように、とまずはお試しの関係からスタートすることに……。
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第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。