日曜劇場『キャスター』がスタートした。冒頭からラストまで見逃せない展開はもちろんのこと、阿部寛が演じる進藤壮一のキャラクター性、考察要素のある物語、ニュースの在り方を考えさせられる台詞……とても魅力的なドラマだった。早速、初回を振り返っていこう。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
視聴率低迷にあえぐ民放テレビ局JBNの報道番組『ニュースゲート』の新メインキャスターに就任したのは進藤壮一。彼は、真実を伝えるためには手段を選ばない破天荒な人物である。
着任早々、いきなりスタッフ陣に「本番中イヤモニは外させていただきます」、「スクープのためだったらなんだってアリです」、「忖度はしません」といった条件付きメッセージを提示。もともといたスタッフからすれば面白くなく、苛立つばかりだ。
リニューアル初回のゲストは、内閣官房長官・羽生剛(北大路欣也)だったが、急きょ出演キャンセルとなった。その理由は、近日中に週刊誌から裏金疑惑に関する記事が出るためだった。進藤は知り合いの記者を使って記事をもみ消し、再び出演してもらう約束を取り付ける。おそるべし進藤。そしてあなたは何者なのだ。
約束した直後、羽生が倒れてしまう。羽生を乗せた救急車は、主治医がいる病院ではなく、急きょ別の病院へと向かった。進藤は、番組に入って来たばかりの総合演出・崎久保華(永野芽郁)、ADの本橋悠介(道枝駿佑)と共に後を追う。
この騒動の裏で、入院していた幼い子ども・相原拓海(小嶋一富観)が亡くなった。今回、拓海に使うはずだった希少な血液を羽生に使ったのではないか、その血液を使うために行き先を変更したのではないか、崎久保はそう推理するが、進藤は推測の域を脱していない、とバッサリ。「裏取りをする」と、羽生と行動を共にしていた尾崎正尚(谷田歩)のもとへ。崎久保は席を外すが……。
進藤が交渉した結果、羽生の息子で秘書の真一(内村遥)が、番組に出演し、血液の件を話すことになった。すべての準備が整い、あとは放送するだけ。しかし、思わぬ事態が巻き起こる。進藤が予定していた内容をすべて変更したのだ。このおかげで、羽生は大きな傷を負うことはなかった。
崎久保としては納得がいかない。放送後、進藤に詰め寄ると、彼は、拓海の執刀医と会ったと明かす。真一から血液は父親に使うよう言われたが、命令に従わず、ふたりの命を救おうとした。だが、結果的に拓海は助からなかった、というのが真実だった。拓海の母親に余計な感情を与えないためにも、進藤自ら放送しない判断をしたのだ。
しかし、崎久保の怒りはおさまらない。進藤の録音機を入手していた彼女は、尾崎、羽生、進藤のやりとりをおさめた音声を聞いたと突きつける。そこには、羽生が息子にすべてをなすりつけて番組出演をさせる約束と、進藤に金を渡すやりとりが収められていた。
誰のためでもなく、金で真実をねじ曲げた、あなたは大ウソつきだ、と崎久保。これで、報道でやっていく覚悟ができたという彼女は「必ずあなたより大きなスクープをとってみせます!」と宣言。進藤は不敵な笑みを浮かべ「やれるものならやってみろ」と返した。
目に見えたものだけを受け取れば、進藤が事実をもみ消し、金を受け取ったことになるが、あれだけ裏取りにこだわってきた彼が、そんなことをするだろうか。ただ真実を報道するのではなく、そのニュースを見た当事者がどう感じるのかまで考えていた進藤が、金に溺れて内容を変更するだろうか。
確かに、本橋が目撃したシーンでは、金のようなものを受け取っていたし、羽生も「官房機密費」というワードを使っていた。だが、崎久保が聞いたのは音声のみである。金を受け取ったというシーンは彼女の想像のなかでのやりとり……という可能性はないだろうか?もしくは、その続きがある?進藤は悪魔なのか、ダークヒーローなのか。第1話の時点では、まったく分からない。そして、羽生がなんらかのかたちで物語に絡んでくる可能性は十分ある。とにもかくにも、今後の『キャスター』から目が離せない。
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