『まどか26歳、研修医やってます!』自分の人生とも逃げずに向き合う大切さを教えてくれた最終回。芳根京子×鈴木伸之の幸福な結末に続編を望む声も
第10話(最終回)では、まどかが自分の人生も患者の人生も大切にするための選択を下す。菅野との恋の結末も多幸感に溢れ、視聴者からは続編を望む声が多数上がった。
まどか(芳根京子)たちの研修医生活が2年目に突入した『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)第7話。同期たちが専攻する科を決め始める中、未だノープランのまどかは新たに精神科に配属となる。
五十嵐(大西流星)から「精神科に向いている」と言われ、若干その気になっていたまどかだが、指導医・野口(板倉俊之)の「恋も仕事も距離感が大事」という言葉の意味を実感する出来事に遭遇するのだった。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
春といえば、恋の季節。本郷(溝端淳平)が子持ちという事実をまだ知らない千冬(高橋ひかる)は、彼にゾッコンの様子だ。桃木(吉村界人)は相変わらず、萌(小西桜子)に猛アプローチをかけては軽くあしらわれている。けれど、以前とは違って、萌もまんざらでもなさそうなのは気のせいだろうか。全体的に院内がホワホワとしたムードに包まれている。
しかし、恋は時に大きな痛みを伴うもの。まどかは、失恋をきっかけにリストカットをし、救命救急センターに運ばれてきた患者・裕乃(新井美羽)を担当することに。年齢が近いこともあり、心を開いてくれた裕乃に「いつでも話を聞く」という約束で個人の連絡先を教えるまどかだが、そのことが後にトラブルを招いてしまう。
患者に対して誠実に向き合う姿勢、それがまどかの良いところだ。まだ医師としては未熟なところもあるけれど、患者の声に耳を傾け、一生懸命その要求に応えようとする。だから、患者もまどかに自然と心を許すのだろう。
ところが、今回はその誠実さが裏目に出てしまう。裕乃から昼夜問わずメッセージが送られてくるようになり、プライベートの時間も惜しんで返信に努めるまどか。けれど、就寝中に送られてきた大量のメッセージには気づけず、裕乃を怒らせてしまう。謝罪も受け入れてもらえずに担当を外れることになってしまった。
果たして、まどかは何を間違えてしまったのか。裕乃のメッセージを無視してしまったこと? それは、寝ていたのだから仕方がない。医師だって人間なのだから睡眠は必要だ。問題は「いつでも」なんて、守れない約束をしてしまったことにある。
裕乃はボーダーラインパーソナリティ症で、自分に自信がなく、他人に見捨てられてしまうかもしれないという不安が強い。まどかの「いつでも」という言葉は、そんな彼女に安心感を与えたことには違いないだろう。けれど、結局は無理のある約束だったから、まどかは守ることができず、裕乃を失望させ、信頼関係も損ねてしまった。
そんなまどかに、野口は「君は誠実ゆえに、患者の反応に振り回されすぎてる」と助言を送る。心の病は、目に見えないのが難しいところ。野口が精神科医になるきっかけを作った患者のように、大丈夫と言っていた患者が本当に大丈夫とは限らないし、「こうしてほしい」という患者の要求をまっすぐに受け取って、それに応えることが正解とも限らない。
それでも「難しい分、やりがいがあるよ」という野口の言葉を受け、改めて裕乃と向き合う決意をするまどか。今度は、医師と患者として遵守可能な約束を裕乃と交わすのだった。
もちろん、必ず約束を守るつもりでいても、様々な理由で果たせないことはある。でも、だからといって相手のことを軽んじているわけじゃない。時にはクリームまみれになり、またある時にはボウリングシューズで、自分を心配して駆けつけてくれるまどかの必死な姿を見て裕乃はそのことを理解したように見える。
他者と一定の距離を保つことは、それすなわち自分も相手も大事にすることなのかもしれない。産休に入った瑞希(堀田茜)の分まで働き、多忙で抑うつ状態となっていた菅野(鈴木伸之)。クリスマスや誕生日といった特別なイベントを共に過ごし、まどかは菅野のことを自然に目で追うようになっていた。
気になる人が元気がなかったら、どうにか力になりたいと思うのは自然なこと。だけど、まどかは無理に菅野を元気づけようとするのではなく、ストレス発散になるからとバッティングセンターを勧め、あとは見守りに徹する。その結果、菅野は元気を取り戻し、病院対抗のボウリング大会でチームを優勝に導いた。
ストライクを打った菅野に走って駆け寄るまどか。菅野はそのまままどかを抱き留め、くるくると回る。完全に2人だけの世界に突入したまどかと菅野をよそに、他の医師たちは「カップル誕生か!?」と騒つき、視聴者も「抱きしめてくるくる回るのやばい」「もうそれ結婚式でやることなんよ」「まどかと菅野先生の体格差めろすぎ〜〜〜!」と大興奮だった。
その一方で、気になるのは「この病院は絶対に潰さない」という角田(奥田瑛二)の台詞。一生懸命だけど、基本的にノープランなまどかにも、仕事とプライベートの両面で「どう生きていくか」という選択の時期が訪れそうだ。
第7話の視聴はこちらから
第8話の予告編はこちらから
第10話(最終回)では、まどかが自分の人生も患者の人生も大切にするための選択を下す。菅野との恋の結末も多幸感に溢れ、視聴者からは続編を望む声が多数上がった。
本作を手がけた塩村香里プロデューサーにインタビュー。主演の芳根さんや、まどかが初期研修で最初に配属された消化器外科の指導医・菅野を演じる鈴木伸之さんの印象、2人の気になる今後の恋愛模様などについてお話を伺いました。
第9話では、それぞれが進路の選択と向き合う中、ベテラン患者の橋口が腎臓がんで再び入院してくる。そんな橋口を元気づけようと、ある実行したサプライズを実行したつぼみ隊に視聴者から「かわいすぎる」「愛おしい」という声が上がった。
芳根京子主演のドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』、俳優・奥田瑛二が見守る撮影の舞台裏
第8話のテーマは“選択”だ。人生の大きな選択を目前に控えたまどかに、人生の先輩たちがさまざまな生き方を示してくれる。なかでも、医師であり2児の母でもある内田の奮闘ぶりには、特に女性視聴者から共感と称賛の声が上がった。
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第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。