若き人気政治家・清家一郎(櫻井翔)と有能な政務秘書官・鈴木俊哉(玉山鉄二)。清家の学生時代からの清家と鈴木の不可思議な関係に気付いた新聞記者・道上香苗(水川あさみ)は、清家の成功の裏で、いくつもの不審な死亡事故が起きていたことを知る…。執念で取材を続けた道上は、清家の裏で彼をコントロールしている黒幕が母親の浩子だと確信。一方で、鈴木の暗躍により、ついに清家は官房長官に就任する。しかし、そのタイミングで鈴木の過去のスキャンダルが発覚!清家は保身のために、長年の盟友をあっさり切り捨てる…。傷心の鈴木が取った行動は?ますます目が離せない第7話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
道上の電話にも出ず、どこかに消えた?と思われた鈴木だが、意外とあっさり帰宅。その自宅に上がり込んで待ち構えていた道上が「何があったんですか!」と追いすがるも、彼は自室に引きこもってしまう。
その一方、シビアな人事の直後でもきっちり翌日の会見をこなす清家。ぎゅっと拳を作り、「国民のみなさまに寄り添う政策をしっかりと実現していきたい」と語る彼は、どこまでも晴れやかな表情だ。
自宅のテレビでそれを目にした鈴木は、ボサボサ髪で前日から着たきり雀のワイシャツ姿。いたたまれずにリモコンを手に取り、テレビを消してしまう。清家は、浩子からもらった「生者必滅、会者定離」の書を手に、「古いものと決別しなければならない」と言って自分をあっさり追い出した…。前夜のやりとりを思い出して、苛立ちを隠せない鈴木。
それにしても、これまではワックスでビシッと髪を固め、どこにも隙がないように見えた鈴木だが、このいじけた姿のほうがどこか色気があって、ちょっとドキドキ…。キッチンにつがいのフクロウの置物があったり、ほんのり夫婦仲が円満な様子がうかがい知れるところもポイント高し。このドラマ、本当にイケオジパラダイスである♥(個人的感想)
そんな傷心の鈴木に、道上はBG株事件の資料を渡し、以前断られた共闘を再び持ちかける。
鈴木の実父・宇野康介(河野達郎)が逮捕されて自殺した原因も、そして道上の父・兼高(渡辺いっけい)が事故を装って殺された理由も、ともにBG株事件。
“父親がこの事件に絡んだから命を落とした”という疑惑は、道上と鈴木の共通点なのだ。
BG株事件を追うことは、2人の父の死の真相につながる。そして、黒幕であろう浩子の真意にも…。
一旦は鈴木に判断を任せ、道上は清家ウォッチングに繰り出す。清家に「僕を見ていてくださいね」と言われたことをきっちり守る道上の記者魂。タフである。
選挙戦の応援演説をする清家を遠くから見ていた道上は、清家が掲げていた「ヘイトスピーチ厳罰化」に反対する層がプラカードをもって大声を出すトラブルに遭遇。
しかし、清家は顔色ひとつ変えず、むしろ生き生きと、持っていたマイクをおろして生声で「私はどちらも守りたい!自由に発言できること、他人の発言に傷つけられないこと」と演説を始める。批判的だった人たちも含めてその場を魅了していく清家に、改めて舌を巻く道上。
演説が終わり、清家にレコーダーを突き出し、「鈴木秘書官を更迭した今の本当の気持ちを聞かせてください」と迫る道上。そこで清家が取った行動は…、彼女の手を取って引き寄せると、耳元で何かをささやいた!そして、どこか悲しい目をして道上を見つめる…。
しかし、このシークエンスにはBGMが被せられていて、清家が何を言ったのかは視聴者には明かされない。
なんて言ったの!?と、気をもませる演出にハラハラしつつ、清家の子犬のような目にキュンキュンさせられてしまう。相変わらず、見ているこっちの感情が忙しくなるドラマである。
そんな中、鈴木は妻・由紀(真飛 聖)のすすめで久しぶりに父の墓参りに出かけ、道上の父・兼高が毎年、お墓に花を手向けてくれていたことを住職から聞かされる。
「責任を感じていたんでしょうね。真相を明らかにできなかったことに対して」とつぶやく由紀に、心を動かされる鈴木。
実は秘書時代、兼高から鈴木にコンタクトがあった。その時、兼高に言われた言葉は、「罪を逃れた政治家がいるのは明らか。どうしても真実を明らかにしたい」という言葉…。
さらに道上から渡されたBG株事件の資料に、「また浮かび上がってきてください。やられたままじゃダメですからね」という道上の励ましの言葉が書かれた付箋を見つけて、鈴木は泣きそうに…。
ここからは、いよいよ道上&山中の記者コンビに鈴木が合流! 粘りの記者と有能な元秘書との最強タッグの誕生だ。道上、両手にイケオジ状態である。イケオジパラダイス♥(しつこい)
それはさておき、鈴木は道上にどデカい情報をもたらす。鈴木は、清家の後ろ盾である諸橋外務大臣(矢島健一)の元秘書・中島(龍輝)が、BG株事件の1年後に自殺していたことを突き止めていた。さらに、もうひとりの秘書・富樫が行方不明になっていたことも…。さすがデキる男。
道上は、鈴木も巻き込んで、さっそく中島の妻の元へ取材に出発。その道すがら、2人は清家について語り合う。
「清家は自己実現のための道具。表情も心もない入れ物に自分が仮面をかぶせてやったと思っていた。でも、すでにあいつは浩子がかぶせた仮面をかぶっていた」としみじみ語る鈴木に、道上は、清家から耳元で告げられた言葉を明かす。
それは、「切りたくて切ったわけじゃない」という清家のつぶやき。絞り出すような彼の声に、道上は「清家の心を感じた」と鈴木に告げる。
「清家が本当の感情を見せたと思えるのは、数えるしかない」と言って、鈴木は過去を振り返る。
そのひとつは、高校時代。父・和田島(加藤雅也)からもらった腕時計を同級生に奪われて、激昂した時。
そして大学生時代、当時の恋人・美和子こと亜里沙(田辺桃子)にキツイ物の言い方をした鈴木に対して「謝って!」と詰め寄った時。
最後のひとつは、代議士になってからマイノリティに寄り過ぎた発言をして保守層に反発された時。諌める鈴木に「日の当たらない人に光を当てようとしないで、何が政治家だ!」と清家は叫んだ。
…これは、第5話でも鈴木の回想として登場していたシーンである。
空っぽに見える清家にも、本音はある…?
しかし、ドラマのタイトルは「笑うマトリョーシカ」である。マトリョーシカは、何個フタを開けても中身はない…。それがどこか引っかかる。
さて、2人はいよいよ中島の妻と接触。当初は拒絶していた中島妻も、「お願いします!」と頭を下げて粘る道上の姿に、実は生前、何度も彼女の家に通い、信頼感を勝ち得ていた兼高との共通点を感じ、「やっぱり親子ですね」と真相を語りだす。
実は、中島はBG株事件に政治家が関わっていた証拠を握っていた。それを告発しようとしたから夫は自殺に見せかけて殺されたと、中島妻は自身が抱く疑惑を吐露する。しかし、その証拠がなんなのか、どこにあるかはわからないとも。
手がかりを探して中島の部屋を見せてもらう道上と鈴木。鈴木が「秘書ノート」と書かれた帳面を開くと、そこに挟まれていた紙片に「鈴木」という名前と清家や鈴木の母校・福音学園の住所が記されていた!
ということは、鈴木が宇野の息子だと中島は知っていて、鈴木に証拠を送っていたのでは?
道上はそう推理するが、鈴木は当時、何も受け取っていないという。そこで道上は、現学長で元担任・一色(東根作寿英)に話を聞くべく、またまた愛媛へ飛ぶことに。
このドラマでは鈴木の回想=過去のネタバラシというのが定石のパターンとなっているが、今回もまた、鈴木が高校時代の生徒会選挙を振り返る中で、ある事実が浮かび上がる…。
それは、一色が清家が選挙に勝てるように過去の資料をこっそり提供してくれたり、不正をしてまで清家の演説の順番が有利になるよう便宜を図ってくれたこと。
なぜ、そこまでして一色は清家を勝たせたかったのか?
ここで浮かび上がる人物は…もちろん浩子!
実は鈴木は、一色の耳元で何かをささやく色気ムンムンの浩子の姿を学内で見かけていたこともあった。
官房長官・清家の恩師とその母が不倫していたというのは、大きなゴシップになる。道上は、それを表沙汰にしないことを取引材料として一色に掛け合い、鈴木が高校1年生の時に、鈴木宛に1本のカセットテープが届いていたことを聞き出す。そして、それを浩子に渡していたことも。
浩子の元夫・清家嘉和、清家がその地盤を引き継いだ武智議員、そして道上の父・兼高の死。真中亜里沙の失踪。鈴木の事故。さらにBG株事件…。
すべてが浩子に繋がった!
ここで、場面は国会へと移る。何者かに報告を受け、電話を切る諸橋大臣。諸橋は、そこへやってきた清家に、道上が清家をしつこく取材する理由が何か知っているか問うが、清家は「私は何も」と答える。
「そっかぁ」と清家を見る諸橋は、明らかに腹にイチモツありそう。片や、去っていく諸橋を見送る清家の目は、どんどん険しくなっていく。そこに清家の本音がある…?
一方、清家の故郷・愛南町で浩子について聞き込みを続ける道上にも危機が迫っていた。謎の男が現れて、彼女に襲いかかったのだ。
逃げる道上。そこにツッコんでくる車!すんでのところで避けた道上の前に、優雅に日傘を差した浩子が現れる!
「私に用があるんでしょ?」と妖艶に笑いかける浩子。いきなりの黒幕登場!にドッキドキである。
いよいよ一騎打ちなるか?…というところで、第7話は終了。
道上は、無事に生きて東京へ帰れるのか!?ハラハラして次週まで待機!
第7話はこちらから
第8話予告編はこちらから
公式サイトはこちらから
ヒューマン要素を加えたドラマ版『笑うマトリョーシカ』。9月6日の最終回を前に、本作に込めた想いを伺いました。
清家を裏で操る“ハヌッセン”の正体は誰なのか?9月6日に最終回を迎える『笑うマトリョーシカ』について、見どころを伺いました。
お互いに相手に告げずに転職した先で、偶然に同じ部署で働くことになった真尋と直人の姿を描く第1話。夫婦であることを隠さなければならなくなるてん末がスリリング!
「グランメゾン プロジェクト」の一環として配信開始された名作ドラマから、俳優・木村拓哉の魅力を改めて語りたい!